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岩泉side
コートにボールが落ちた。
「なんなんだよ！」
相手コートにいる大学生が悪態を吐く。視線の先にいるのはAで、大学生は酷く顔を歪ませている。それは及川も同じだった。
「対応早ぇな」
「ん？2ゲームも見てりゃ癖ぐらいわかんだろ」
「お前ならそうだな」
今さっきドシャットしたばかりのAは、なんでもないことのように言う。口角は上がっており、心底楽しそうだ。
「花巻ナイッサー」
花巻がサーブを打つ。ボールはレシーブされ、及川はレフトに上げた。
松川とAがブロックに跳ぶ。松川がストレートをしめている。Aはピッタリと松川の横につき、クロスを若干空けていた。
(いやな手だ)
スパイカーはそれを見逃さず、クロスに打つ。が、それは叩き落とされた。
「ハハ！最高っすね」
逃げ道をわざと作る。よくあるやり方だが、あんだけしっかりとストレートをしめられてしまうと、選択肢はクロスかフェイント、もしくはブロックアウトの3択。リバウンドなんてあの二人は叩き落とすだろう。
松川とAがハイタッチをする。二人とも楽しそうだ。特に松川はAのトスを打てることもあって、かなりノッていた。
「花巻ナイッサー」
完全にスイッチが入っていて、いつにも増して目付きが鋭い。松川はそれを嬉しそうに見ている。
大学生チームがタイムアウトを取った。
松川の隣に立つ。
「嬉しそうだな」
「ん？あぁ、俺はAのあの目が好きなんだよね。なんつーか、テンション上がるっていうかさ」
「ああ、分かる」
部活動見学で見たのより、さらに鋭利で全てを見ている。少し色素の薄い茶色の中に、強さを湛えたあの目に俺は惚れたのだ。
「岩泉、次綺麗にボールが俺のとこに来たら上げるから。そのつもりで。一静には基本レシーブ乱れた時に動いてほしい。」
「逆じゃねぇか？」
「これは俺の問題、ごめん。合わせやすさで選ばせて」
そう言ってスポドリを一気に飲む。松川はAの頭をタオルで拭いてやっている。
「大丈夫か？」
「ん、ヘーキ」
柔らかく笑って松川を見上げるAは、普段より幼く見えた。それに松川も笑顔で頷く。
「さて、どう対応してくるかな」
頭を振ってから大学生チームを見据えたAは、また目に鋭さを宿し、静かに数回ジャンプした。
コートに入り、それぞれがポジションに立つ。Aが見慣れたサインを出す。
ホイッスルが鳴った。
花巻がサーブを打った音が響き、Aは眼を光らせた。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
