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松川side
月曜。
朝のランニングも、部活も、全部オフの貴重な日。先週は棒に振ったけど、今日こそは、と少し意気込んでる。
チャイムが鳴って、放課後。
「A、今日はなんかやらなきゃないこととかあるの？」
「備品は面倒だから明日チェックする。あとは課題やるくらい。なんで？」
Aはスクバにペンケースやらなんやらをしまいながら、チラッと俺を上目で見た。
「映画観に行かない？」
「いいね。なに観んの？」
「裏切りのサーカス」
「洋画？」
そ、と頷いてやれば少し難しい顔をして頷いた。
「どんなやつ？」
「サスペンスもの」
「裏切りって付いてるもんな」
駄弁りながら廊下を進む。人が多いけど、まだ許容範囲。花は珍しく先に帰ったらしい。
「着替えてから行く？」
「面倒でない？」
「まぁね。でも何かと、」
Aが何を指してるのかわかって、今度は俺が少し考える。制服だと確かに面倒が起こりそうだ。昨日の瀬見の件もあるし。
「そうするか」
「ん」
靴を履き替えて、玄関を出る。一旦いつも通りの道を辿った。
「ただいま」
「あら、着替えて出掛けるの？」
うん、とAが答えると、母さんはニヤニヤして俺を見る。
「何？」
「なんでもない。ご飯は？」
「済ませてくる」
オッケー、と言ってリビングに戻った母さんを横目に、Aと部屋に戻る。Aはオバサンが持って来た段ボールからジーパンとカーディガン、丸首のシャツを取り出した。俺は、どうするかな。
「映画何時から？」
「夕方のだから、あと1時間くらい」
タンスから緩めのジーパンと少し厚手のトレーナーを出す。あとは、ボディバッグでいいか。壁に掛けてたバッグを取って、エナメルに入れてた財布を突っ込む。
「行ける？」
「俺はいいよ」
振り返ると、Aがまじまじと俺を見てた。とか言ってる俺も、結構まじまじとAを見てる。
(ほっそ。かわいい。え、)
ヤバい、デートじゃん。分かりきってたことが頭を過ぎる。顔には出てないはずだから、少し余裕振ってみた。
「カッコい？」
「……え、あ……うん」
ちょっとだけ顔を赤くして、俺から視線を逸らした。え、ホントにかわいい。いや、俺の服はなんてことないトレーナーなんだけど。そんな反応する？
「Aも、そのダボっとしたカーディガンいいね。かわいい」
「ありがと」
「じゃあ行くか」
Aはクラッチバッグを持って俺の後をついて来た。
ヤバい、自慢しそう。岩泉に。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
