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どのくらいそうしていたのか、2分と言われたらそんな気もするし、5分と言われても、或いはそれ以上と言われても納得できるような時間を過ごした。
一静が少し身体を離す。
「ん、戻るか」
「だな」
身体を起こし、部屋から出て仏間に戻る。三人はUNOをやっていた。
「やーっと戻ってきた。岩泉が不機嫌だからどーにかしてくれ」
「別にそんなんじゃねぇ」
「岩ちゃん強がってんの？」
「ぶん殴るぞ」
いつも通りのやりとりに笑いながら隣を見る。なんと呼ぼうか悩み、隣に立つ一静に視線を送る。気が付いた一静が身を屈め、俺の口元に耳を寄せた。
「松川でいい？」
「ん」
いつも通りの表情で返事をし、今度は一静が俺の耳元に口を寄せる。
「二人の時だけ、な」
「うん」
返事をして、少し顔に熱が集まるのがわかった。
「なーに二人でコソコソしてんのさ」
「いやらしー」
「チッ」
「ホント岩泉は隠すことなく舌打ちするな」
最近では殆どお決まりのような岩泉の舌打ちに苦笑いする。
「お前らが思ってるようなことじゃねぇよ」
「どーだかね」
「Aはむっつりだからな」
口々に否定され口角がヒクつく。
「そんなこと言ってると、スポドリに砂利入れられるぞ」
「それ中学ん時のトラウマな！？」
「そんなことあったの？！」
俺が声を荒げると及川まで叫ぶ。岩泉は青筋を浮かべてこちらを凝視している。花は面白がっていて「え、なにそれ初耳」とニヤニヤしている。
「なんでそんなことになったんだ？」
「俺と松川が仲良いから？」
「え、それだけ？」
「松川のこと好きだった女子にやられた」
「サイテー」
詳細を知った及川、岩泉、花巻は嫌悪感を隠すことなく表に出す。岩泉は相手が女子だったことでなぜか余計にイラついていた。
「岩泉どーしたよ」
「なんでもねぇ」
「相手が男だったら今にもボコりに行きそうな顔してるな」
「当たり前だろ」
「いや部活停止になんぞ」
笑って言えば三人にジト目で見られた。トラウマではあるもののその女子に恨みはない。若干方向性を間違えただけだ。
「まっつんはその時どうしたの？」
「病院まで付き添った」
「やってることがほぼ身内」
「チッ」
「今の舌打ちはおかしいでしょ」
ツッコミを入れれば当の一静は「理不尽」とケラケラ笑っていた。最初こそ驚いていたものの、最近ではただ岩泉の反応を面白がっている。
「デザート食べたい！」
「もらってくるわ」
そう言うと及川がついてきた。
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年6月23日 21時
