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目を覚ますと、丁度起きる時間だった。
着替えて走りに行く。夢を見たような気がしたが、全く思い出せない。幸せな夢だった気もする。
アップを済ませてペースを上げて走ると、あっという間に2周が終わったが、息切れがひどい。ペースが早過ぎたと後悔するが、終わったことと割り切りクールダウンして家に上がる。シャワーを浴びてリビングに行くと、母が弁当を包んでいた。
「おはよ」
「おはよう。お弁当置いておくから」
「ん」
先に制服と荷物を持って来ることにして、一度2階に上がる。スラックスとカッターシャツを着る。荷物とジャケット、ネクタイを持って降りる。
「朝食早く食べなさい」
「うん。ありがと」
弁当をエナメルバッグに入れる。食卓について食べ始めると、もう6時22分だった。急いで食べていると母に叱られた。
「そういや松川のお姉ちゃん帰ってきてるって」
「あらそう。あの子知ってるのかしらね」
「さぁ？メールするって言ってたらしいよ」
「そ」
食べ終えて食器を下げネクタイを締めながら「ご馳走様」と母に言うが返事はなかった。インターホンが鳴る。
「気を付けてね」
「うん」
玄関に荷物とジャケットを持って行き、ドアを開けると松川がいた。
「おはよ、松川」
「おはよ、A」
ジャケットに袖を通して荷物を担ぐ。松川と揃って「いってきます」と言って朝練へ向かう。手を握られる。
「昨日夢見た気がすんだけどさ」
「なんの夢？」
「松川が出てきたと思うんだけど、内容を覚えてない」
「俺の夢なんだ」
それは確実、と言えば松川が嬉しそうに笑う。
「因みに夢は毎日5〜7個は見てるらしいよ」
「あれか、レム睡眠とかのやつ」
「それ」
話しているともう校門がすぐそこだった。そっと手を離すと、横道から及川と岩泉が来るのが見えた。
「おはよ！早いね」
「はよ。あんま走りたくねぇからさ」
「よう」
「岩泉、おはよ」
花巻がいないが、気にせず四人で部室に向かう。途中でガシャガシャと走る音が聞こえた。
「花おはよ」
「まーた置いてくもんな」
「花遅ぇんだもん」
「マッキーが遅刻しないの不思議だよね」
朝から騒がしく部室に行き、及川が鍵を開けるのを待つ。なんとなく視線を感じたので見ると、岩泉だった。
「どした？」
「なんでもねぇよ」
わしゃわしゃと雑に頭を撫でられる。
着替えを済ませて、洗濯するものの入ったカゴを持って部室を出た。
準備を済ませていると二軍の1年が走ってきた。
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年6月23日 21時
