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岩泉side-2

「で?気になったヤツって誰?」

説明を聞いてる中で及川が小声で話し掛けてきた。

「いなくなった」

「は?昨日とメンバー一緒じゃん」

一人マネ候補だけど、と言いながらAを見た及川に内心で『だからいないんだ』とイラついたのを覚えている。

前日と同様にスパイク練をした後で休憩になった。
ルーズリーフを挟んだバインダーとタオル、スクイズを抱えて走り回るAを目で追いかける。一人一人と話しながら味の濃さを確認しているようだった。

(真面目だな)

Aは既に先輩らとも打ち解けているようだった。先輩からすると願ってもないマネ候補なのだろう。それが更に俺をイラつかせた。

「お疲れ。1年だよね?俺マネ候補の堂島A。よろしくな」

これドリンク、と俺にスクイズを手渡しながら言ったAは見るからにいいヤツだった。

「お前、バレー辞めんのか」

「あ、気付いてた?」

苦笑いしながらも味を聞いてくる。

「もう少し薄い方がいい。で、何でだ?」

「岩泉、は薄め、と。なんで、か。俺はすごいやつじゃないからさ。」

諦めちゃった、と言葉を濁す。その顔はちゃんと悔しそうだった。

「コーチも監督も、お前のこと褒めてたぞ」

「そっか。悪いことしたかな」

「自分で決めたんだろ」

まぁね、と困った顔で言うAの目は穏やかだ。

「同い年でもさ、段違いですげーヤツっているじゃん。牛島とか」

「……ああ」

「俺にとっては及川も同じなんだ」

あいつとポジション争いするのが怖い

そう言ったAは「じゃ」と他の部員の元へ走っていった。

「岩ちゃん、マネ候補と知り合い?」

「いや、今初めて話した」

「いい人っぽかったね」

ああ、とんでもなくいいヤツだった、と言えば何も知らない及川は「ふーん」とニコニコ笑って嬉しそうだった。


「Aがいいんなら、それでいいんだよ」

「相変わらず男前だね」

及川さんの方がイケメンだけどー、といつもの調子で騒ぐ及川を無視する。

Aのトスが打ちたかった。それは本心だが、俺たちが白鳥沢を負かす場に一緒にいるなら、それでいいとも思う。俺たちをサポートするAが喜ぶならそれでいいんだ。

「ちょっと岩ちゃん!無視しないで!」

「近所迷惑だっつってんだろクソ及川」

今度は拳骨を及川の頭に落とす。「イダ!!」と汚い声で呻いた。

「ま、俺は岩ちゃんがいいならもう言わないよ」

「ああ」

横で鼻歌を歌う及川もいいヤツだった。

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シャバ僧(プロフ) - 優愛さん» ご要望ありがとうございます!負けず嫌いな男主なので、まだ未定ですが、一応別で男主受け松川夢ございます……よろしければ、どうぞ(宣伝) (2022年12月8日 23時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
優愛(プロフ) - 主人公は受けがいい!! (2022年12月8日 21時) (レス) @page35 id: 5e22586db0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年6月14日 0時

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