344 ページ47
《サッカー部の皆さん、ありがとうございました！次は、男子バレーボール部によるダンス、曲はAKB48の『Everyday、カチューシャ』、『フライングゲット』です！2曲続けてどうぞ！》
「及川、さっさと出ろ！」
「ちょっと！！押さないで！！」
文句を言いながらもバタバタとステージに出ていくノリノリの及川と花巻、やけを起こして半ギレ状態の岩泉と一静、俺。先輩(主に及川)に逆らえず巻き添えを食らった金田一と矢巾は、国見を引き摺ってそこに立った。
途端、悲鳴とも歓声とも取れる声が上がる。
選曲から分かる通り、俺は今日も女装をしている。
とは言っても、今日は俺だけでなくステージに上がる八人全員がクラスTシャツにスカートという出立ちで、ひとりでするよりは幾らか気持ちがマシだった。何せ、自分よりゴツいやつが昨日の自分と同じように化粧をされ、スカートを履いているのだから、幾分、ほんの僅かにマシだ。
「あー、腹立つ。及川マジで覚えてろよ」
「Aさん、マジで似合いますね」
「矢巾は明日100本サーブな」
「？？！！」
曲が始まるまでの数秒間のやりとりで、矢巾は見事に俺の地雷を踏み、練習メニューが決まった。曲が流れる。
何気に練習をしていたダンスはそこそこ息が合い、チラリと見たステージ下では男子が爆笑していた。
《ありがとうございました！男子バレーボール部の皆さんに、盛大な拍手をお願いします！》
「アザーッシタ！！」
無事に終わった出し物に安堵し、さっさと着替えようとスカートのホックに手を掛ける。ガッ、とそれを掴まれた。
「ちょ、手ぇ離せ」
「記念撮影しようよ〜」
「マジでうぜぇ。いつもの五割増しでうぜぇ」
「最後の学祭なんだからさ〜！あ、そこの、写真部の子〜！みんなで撮って〜！」
及川はひとり楽しんでいて、勝手にカメラを向けて数枚撮っていた。さらに写真部の女子を呼び、集合写真を撮らせようとしている。
「帰らせてください」
「国見ちゃんも、及川さんと学祭で騒げるの最後なんだからさ〜」
「最後ってワードを振りかざし過ぎなんだよお前は」
「撮りますよー」
フラッシュが数回焚かれ、ごちゃごちゃとしている場面をそのまま収める。撮り終わったのを確認してさっと女子から借りたスカートと下に履いていたジャージの短パンを脱ぎ、スラックスに履き替えた。一静も着替え終えていた。
「ほら、早くしねぇと次のやつら来るぞ」
着替えていない及川を放置して、ふたりでクラスへ戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» 原作にない流れを書くこともあり、まだ展開が半端ですが、またペースを戻せるように頑張ります！こんな長い小説をここまで読んでくださりありがとうございます！ (2022年11月7日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - シャバ僧さん» そうだったんですね...！いつもお疲れ様です泣覚えて頂けて嬉しいです！！楽しみにしてます！ (2022年11月7日 0時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» こちらこそありがとうございます！！烏滸がましいですが、スランプ気味で筆が乗らなかったため、更新が遅くなってしまいました……またコメントいただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年11月4日 21時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 5人のわちゃわちゃかわいいですありがとうございます...!!! (2022年11月4日 21時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年10月6日 12時
