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「大丈夫か？」
ただ背中をさするだけだったそれを、しっかりと言葉で聞いてくる。
「んー？まぁ、大丈夫」
「大丈夫じゃねぇな」
苦笑いして少し目を巡らせると、俺の手を引いて小道へ入って行く。人通りの少ないそこで、一静は俺を落ち着かせようと一際強く抱き寄せた。
「いきなりだったからな。しんどいよな」
「少し、な」
「俺の前では無理も、作り笑いもすんな」
俺の頭を撫でながら、一静は少し悔しそうな声で、消え入りそうな程小さく言う。一静の身体に腕を回して、肩口に顔を埋める。
「ありがとな」
「特別なことはしてねぇよ」
「充分だよ」
身体を離して、元の道へ戻る。気持ちは落ちたままだが、このままいても仕方がない。
「少しはマシになったか？」
短く返し、通学路へ戻った。
部室前で及川達と落ち合い、いつものように少し遅れて花巻が駆け寄ってくる。なんて事のない日常も、側から見るとオカシイのかもしれない。俺と一静が、男子高校生がアパートの一室に暮らしていることと、同様に。
「チワーッス！」
部室の戸が元気よく開けられ、金田一と眠たそうな国見が入ってきた。
「金田一ハピバ〜！」
「一日遅れだけどコレやるよ」
朝から流石のだる絡みをする花巻と、持参した保冷バッグをそのまま差し出す一静に金田一はあわあわとしながら笑顔を向けた。
「アザッス！」
「とうもろこし買えなかったからその代わりな」
「代わり？」
保冷バッグの中を覗いた金田一は、パッと顔を上げて笑った。
「何あげたの？」
「とうきびアイス」
「あれうめぇよな」
「岩泉好きそー」
「こんなに食えませんよ」
「がんばれ」
「手伝おうか」
金田一の横からアイスを盗み見た国見は目を光らせた。
いつにも増して賑やかな部室は忙しい。続々と着替えを済ませたやつが部室から出ていく。及川と岩泉もその中にいた。
「そろそろ時間になるぞ」
「先行ってるからねー」
「アイスどうしよう」
「準備室の冷蔵庫使えば？」
「忘れんなよー」
花巻は靴に足を捩じ込みながら金田一に言い、そのまま出ていく。
「A、遅れるよ」
「ん」
戻った、は、やはりただのポーズでしかない。困った顔で俺を見る一静はもちろん、きっと及川にもバレている。あいつは目敏い。
「ダメだ。思考が引っ張られる」
「朝からアレやられると参るな」
「あっちも仕事だ。しゃあねぇべ」
「まぁな」
昨日よりも強くなった陽射しの下、一静とともに体育館まで走った。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 原作にない流れを書くこともあり、まだ展開が半端ですが、またペースを戻せるように頑張ります！こんな長い小説をここまで読んでくださりありがとうございます！ (2022年11月7日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - シャバ僧さん» そうだったんですね...！いつもお疲れ様です泣覚えて頂けて嬉しいです！！楽しみにしてます！ (2022年11月7日 0時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» こちらこそありがとうございます！！烏滸がましいですが、スランプ気味で筆が乗らなかったため、更新が遅くなってしまいました……またコメントいただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年11月4日 21時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 5人のわちゃわちゃかわいいですありがとうございます...!!! (2022年11月4日 21時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年10月6日 12時
