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松川side

昨日の今日で、なんならまだ12時間も経っていないのに、なにも意識していないような顔で普段通りのAと、少し意識してしまって戸惑う俺。さっきなんて、ただAが楽しそうに笑っただけでヤバかった。なにが、とは言わない。

「我慢っつーか、そっちに意識を向けてないかな」

「約束だから?」

「まぁ、それもあるけど負担がでかいじゃん。慣れてねぇし。だから考えないようにしてる」

「ふーん」

リスクもあるし、Aのいう負担とか、慣れとか、そういうのも分かる。色んなことを考えていると、柔く抱き締められた。

「それに、俺はこういうスキンシップで満足してる」

「お前ねぇ」

俺の肩口におでこをグリグリと押し付けながら、嬉しそうな声で言い切るAは、ホントに、ホントにかわいい。

「まぁ、しなくても死なねぇしな」

「そうそう」

時計を見たAがベストを手に取った。7時48分を指している。

「行くか」

「出し物なににするよ」

「まずは授業だろ」

「課題あったっけ」

エナメルバッを担いで、ふたりでリビングを出る。靴に足を捩じ込み、忘れ物がないかを確認した。Aが「よし」と呟いて玄関扉を開けた。

「あっつー」

「もう夏だろ、コレ」

長袖なんて着ていられないほど暑くなった。6月になったばかり、インハイが終わったばかり。季節は、月日は、時間は着実に進んでいる。

「アイツらはわかんねぇけどさ」

「ん?うん」

唐突に話し始めた俺の顔をチラリと見て、Aはその先を待つ。

「俺は春高まで残るよ」

「俺も。分かんねぇっつっても、及川と岩泉は残るだろ。牛島に負け越したまんまで終わるやつらじゃねぇ」

「言えてる」

高校最後、聞こえはいいがなんて残酷な言葉だろう。

「高3なんて、なるもんじゃねぇな」

「まぁ、なっちまったから仕方ねぇよ」

「だな」

あっという間に着いた学校。また今日から日常に戻る。これから始まる勉強も、テストも、部活も、無駄にしないよう過ごそう。

「一静」

「ん?」

俺より少し低い位置にあるAの顔を見る。ひらめいた、と言わんばかりの明るい表情で、Aは表情と同じような明るい声で言う。

「帰り、アイス買わね?」

夏だ、なんて言いながら両腕をグーッと伸ばす。細い腕を汗が伝った。

「アイスばっか食ってたら、夏本番まで保たねぇぞ」

「確かに、じゃあ我慢すっか」

「いや、買う」

どっちだよ、と俺に満面の笑みを向けるAを周りから隠した。

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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 原作にない流れを書くこともあり、まだ展開が半端ですが、またペースを戻せるように頑張ります!こんな長い小説をここまで読んでくださりありがとうございます! (2022年11月7日 8時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - シャバ僧さん» そうだったんですね...!いつもお疲れ様です泣覚えて頂けて嬉しいです!!楽しみにしてます! (2022年11月7日 0時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» こちらこそありがとうございます!!烏滸がましいですが、スランプ気味で筆が乗らなかったため、更新が遅くなってしまいました……またコメントいただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2022年11月4日 21時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 5人のわちゃわちゃかわいいですありがとうございます...!!! (2022年11月4日 21時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年10月6日 12時

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