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「おーい、起きねぇの？」
がっしりとした腕を俺の身体から退かさず、狸寝入りを続ける一静に苦笑いする。まるで昨日の俺だ、と。
「Aがチューしてくれたら起きる」
「もう起きてんじゃん。目ぇ開けろ」
「昨日の甘えたがりはどこ行ったんだ」
「昨日のは無性に甘えたかっただけ。もう通常運転」
つまらん、と寝起き限定の掠れ声で呟いて俺の身体を解放する。思い切り伸びをすると頬にキスされた。
「おはよ」
「おはよ、一静」
未だ響いていたスマホのアラームを止めて時間を確認する。5時32分。朝練がない分、早過ぎるくらいの時間だ。
「起きるんでしょ？」
「うん。弁当作る」
作り置きも切らしている今日は、一から弁当を作らなければならない。献立はほぼローテーションで決まっているから、今日は鶏胸肉の照り焼きだ。野菜は適当に。米は大盛りで。
「顔洗っちゃえよ」
「ん」
寝室を出て、俺はキッチンのあるリビングへ。一静は脱衣所へ行き、それぞれ支度する。
昨日買ってきた材料を出して切ったりなんだり下拵えをして、米を研いで早炊きでセットする。頭の中にあるレシピと手順そのままに作業をしていると、さっぱりした顔の一静がリビングに入ってきた。
「ソファー座ってな」
「手伝えることある？」
「あー、それなら洗濯物、スピードモードで回して」
「あいよ」
手分けして家事をするのも、もう慣れたものだ、となんとなく自慢したくなる。ふた月もやれば、なんとでもなる。
皮と脂を取って小さく切った肉を、熱したフライパンに並べる。弱火でゆっくり熱を通して、その間に弁当箱を出して野菜を詰める。冷凍室に作り置きのきんぴらごぼうがあるのを思い出した。
「朝は何にすんの？」
「一静は何がいい？」
「んー、」
考え込んで黙ってしまった一静をそのままに、フライパンの上の肉をひっくり返す。
「チャーハン出来る？」
「時間あるしいいよ」
よし、と言いながら一静もキッチンへ入ってきた。
「なに必要？」
「卵とウィンナーと、あとネギ」
「ん」
一静が冷蔵庫を漁って、俺が指定した材料を出した。俺がシンクに置いたまな板と包丁を洗っている。
「そういや、今日の教科なんだっけ」
「あー、今日火曜だろ？あれじゃん、どっかの時間で学祭の出し物決めるはず」
「そんな時期か」
少しげんなりした顔で洗ったまな板を調理スペースに置く。
「及川が張り切りそう」
「巻き込まれそう」
有り得る、と言って一静は溜息を吐いた。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 原作にない流れを書くこともあり、まだ展開が半端ですが、またペースを戻せるように頑張ります！こんな長い小説をここまで読んでくださりありがとうございます！ (2022年11月7日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - シャバ僧さん» そうだったんですね...！いつもお疲れ様です泣覚えて頂けて嬉しいです！！楽しみにしてます！ (2022年11月7日 0時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» こちらこそありがとうございます！！烏滸がましいですが、スランプ気味で筆が乗らなかったため、更新が遅くなってしまいました……またコメントいただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年11月4日 21時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 5人のわちゃわちゃかわいいですありがとうございます...!!! (2022年11月4日 21時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年10月6日 12時
