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部員より先に体育館を出て、準備室から新しいタオルを1年に持ってくるように頼む。明日の朝一でタオルが洗い上がるように洗濯機をセットした。部室に一度移動した部員達は団欒しているらしい。
部室のドアを開けて中に入ると、及川が笑顔で俺を見た。
「ねーね！！写真撮ろ！！」
「……なんの？」
「俺たちの！！」
「なんで今？」
俺と一静だけじゃなく、岩泉も花巻も「何言ってんだコイツ」という顔をしている。
「えー、なんでって、なんとなく？」
いつも通りのふざけた顔で及川が言う。四人は溜息を吐いた。
「かいさーん」
「俺らメシの用意あるから帰るわ」
「おつかれー」
「いーじゃん撮ろーよ！！ねぇ！！」
「うるせぇ駄々っ子か」
騒ぐ及川と宥める岩泉を置いて部室を出ようとする。が、一静の言葉を反芻したらしい花巻がガッと俺の肩を掴んだ。
「え、メシ作んの？なんで？」
「え？」
「自分で作らないとないから、だけど」
花巻はぐるぐると思考を巡らしているのか、俺の肩を放さず首を捻る。
「あれ？言ってねぇんだっけ？」
「え？寧ろなんで知らないの？」
「え、待って、まっつんもAちゃんも何言ってんの？」
「え、及川も？」
俺と一静は段々とツボにハマり笑い出す。そんな俺らを二人は眉間に皺を寄せて見ていた。
「あー、すまん。ふふ、俺ら先月の合宿終わってから同棲してんだよね」
「まさか、誰も気付いてなかったとは、思ってなくて、ふっ、ムリ」
一静は咳払いをして誤魔化しながらやっとのことで説明する。普段見ることがない程声を上げて笑っているから、二人とも脳内の処理に時間がかかっているらしい。
「え？！待って、嘘でしょ？！」
「マジマジ」
「お前らマジで気付いてなかったのか」
岩泉が呆れたように言う。それになぜか及川は悔しそうな顔をした。
「岩ちゃん知ってたの？！」
「Aの柔軟剤の匂いが変わったからな」
「待て、そこまで行くとキモいぞ岩泉」
岩泉の発言に花巻は口角を引き攣らせる。及川は呆れ顔で岩泉を見て溜息を吐いた。
「岩ちゃん、もう諦めたら？」
「できたら苦労してねぇよ」
「もー、Aちゃんのメンヘラ製造機！」
「とばっちりエグいな」
「俺はメンヘラじゃねぇ」
及川と岩泉の掛け合いに笑っていると、一静がグッと俺の肩を抱いた。
「さ、帰ろっか」
「ハハ、煽り上手め」
「チッ」
「やめて？！明日も試合あるんだから！！」
じゃあな、とそのまま一静と部室を出た。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
