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忘れ物がないかを確認してきた1年が走ってバスまで来た。
「おつかれ」
「あ、いえ、忘れ物、ありませんでした」
「さんきゅ、乗れ乗れ」
後輩を先にバスへ乗り込ませ、監督にひと言「オーケーです」と伝える。バスを見渡すと、一番後ろの五人掛けシートから一静が手招きしていた。
「ビデオ撮ったの？」
「ああ、1年に任せてた」
「そ」
一静が隣のシートを手で叩いた。及川と一静の足を跨いで越えて、窓側に座る。それを確認した監督がバスを出すよう運転手に声をかけ、動き出した。
「メモある？」
「今日は殆ど書くことなかった」
「そーだろな」
「Aちゃん暇そうにしてたもんね」
持っていたノートを一静に渡すと、四人とも覗き込み笑った。
「いや、さすがにコレは手抜き過ぎ」
「花に言われんのは心外」
「Aちゃん、俺のサーブの時寝てた？」
「記憶はあるから起きてた」
「それにしては字がヘロヘロしてるぞ」
いつものメモと違って余白だらけのノート。今までは大学生や、影山がいる烏野相手に練習試合をやっていた分書くことが山程あった。それとの差に四人は笑う。
「まぁ、Aが目を休ませられたのはいいことだよ」
「さすが一静、わかってる」
「つーことで、今日のDVD観るの禁止な」
「なんで？！」
一静の言葉に反射で大声を出してしまった。ハッとして口を手で抑えると花巻が「及川かよ」とケラケラ笑う。
「DVDくらいいいじゃんよ」
「俺も早く寝たいし、目ぇ休ませた意味なくなるだろ」
「ど正論。松の勝ちー」
「争ってねぇし」
未だケラケラと楽しそうに笑う花巻をキッと睨む。それすら効かず、さらに楽しそうに笑った。
「もー、マッキー笑い過ぎ」
「流石にうるせぇ」
「あー、悪りぃ。ちょーウケる」
「花、Aがヘソ曲げちまった」
一静が俺の頭を撫でて宥める。虫の居所が悪い俺は、一静の肩にグリグリと頭を押し付けた。
「ハハ、かわいい」
「ここでイチャつかないでくんない？！」
「うるせぇぞ及川」
「後ろ全員うるさい！！」
「サーセン」
溝口さんにドヤされ、花巻と一静はニヤけながら口先だけの謝罪をした。
バスが青城の敷地内に停まる。
「体育館行けよー」
溝口さんがバスから降りて荷物を担いでいる最中の部員に声を掛けた。返事をしてそのままへ部室へ向かうと、先についたやつらがホワイトボードを用意していた。
ミーティングと、フォーメーションの確認をした。
「じゃあ、今日はこの辺で」
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
