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監督と溝口さんが会計をしている間に、女将さんに挨拶をして店を出る。外には白とミントグリーンを纏った目元の赤い集団がいて、ああ、俺もこの一員か、となぜか他人事だった。
「A、このあとどーする？」
「録画見る」
「お前まーだ見んの？」
「今日明日はもうやめとけ。見てるこっちが痛ぇよ」
花巻と岩泉が苦笑いする。そんなに赤いか、と思いつつスマホの液晶に自分の顔を反射させるが、黒の中では分からなかった。
「とりあえず、帰ったら風呂入って寝るべ。」
一静が宥めるように言って、俺の背中をさする。
「他にできることねぇし」
「充分、いつもやってくれてるでしょ」
及川がスマホをいじりながら、いつもより少し低い声で言う。
「俺も岩ちゃんも、今日は流石に休むし、明日もミーティングだけ。Aちゃんもしっかり休んでね。また明後日からの部活で、その目、たくさん使ってもらうから」
頼んだからね
と、スマホから顔を上げ、真剣な顔で俺に言う。その顔に少し気圧されて、頷くしかなかった。
「だから、はい！今日は解散！明日は朝練なしで放課後はミーティング！オーケー？」
「及川、勝手に進めるなよ」
監督と溝口さんが店から出てきて、すぐさま及川を止める。だが、いつも通りの流れに変更はなく、監督からも帰宅を促された。
「お疲れ様です」
「おつかれー」
挨拶をして帰っていく1・2年に、及川は明るい声で返す。固まっているものの、俺ら3年もそろそろ帰らなければならない。
「そろそろ行くか」
「ん」
一静の言葉に短く返事をして、エナメルバッグを担ぎ直す。高校に荷物を置いてから店に来た分、朝よりずっと荷物が少ない。
「俺ら先帰るわ」
「おつかれ」
「じゃーな」
三人に手を振って、背中を向けて歩き出す。それで、大会が終わったという実感が深まった。
「冷蔵庫になんか入ってたっけ」
徐に一静が口を開いた。さっき食ったばかりでまた飯の話か、とも思うが、明日の弁当や朝食のことを思い出した。
「昨日と今日で殆どねぇな。」
「スーパー寄ってくか」
だな、と返事をして、スーパーへと向かった。
ガチャッと音を立てて玄関の鍵が開く。そこそこ買ったな、と思いながらも袋の中にあるアイスに苦笑いする。普段気を付けているし、たまにはいいか、と割り切った。
「一静腹減ってる？」
「アイス食いたい」
「あいよ」
袋の中からアイスを探して差し出すと、一静がそれを取るついでに、俺の手を握り込んだ。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
