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バスの中、一静が俺の隣でおにぎりを頬張っている。昨日から食欲が旺盛過ぎて心配になるが、食っている時の顔がなんとも幸せそうだから言うに言えない。
「松、お前食い過ぎじゃね？」
俺が言えずにいたことを、花巻がオブラートに包まず言う。別に構わないのだが、幸せそうに食っていた顔が、少し不機嫌な色を漂わせた。
「別によくね」
「いや、いいんだけど、何個目それ」
「1個」
ホントかよ、と花巻はジト目で一静を見た。巾着の中には俺の分のおにぎりと、プロテインバーがしっかりと残っている。確かに一静が食っている数は1個で間違いないのだが、なぜかそれ以上に食っているように思えてしまう。
「食ったそばから生成してる？」
「ブフッ！！」
「ングっ！！ちょ、気管に入る」
考えていたことがそのまま口から出ていたらしく、聞こえていた花巻と及川、岩泉、国見、金田一が吹き出し、一静は肩を振るわせながら口に入っている分を飲み込もうとしている。
「Aの発想ヤッバ！ちょーウケんだけど」
「Aちゃんって、たまーに変なこと言うよね」
「実はド天然なのか？腹痛ぇ」
「たまーに、ホントにたまーに変なんだよね」
「食ったそばから、生成……」
俺の周りにいる奴は大体ツボにハマって笑い転け、後ろにいるやつらはなんだなんだ、と騒ついた。
「おーい、もうすぐ着くからな」
用意しろよ、と溝口さんが声を掛け、俺の発言への笑いも収まった。バスが大きく揺れたことで、到着したのだと分かる。
公式WUも終わり、両校エンドラインに整列した。ホイッスルが鳴った。監督らと並んで相手チームに一礼する。
(勝ち急がなければ大丈夫。
大丈夫と信じていても、どうしても不安になってしまう。
挨拶を済ませた及川たちが、監督の前に集まる。
「目の前の一戦に集中しろよ。止められるものは止める。それ以外は拾う。いつも通りでいい。お前らは強いよ」
落ち着いた監督の言葉に頷いて、ひとつ深呼吸をする。背中を強く叩かれた。
「いってぇな」
「Aちゃん、その顔禁止！ため息禁止！」
「深呼吸だよ。俺、お前らより緊張してるかも」
力無く笑う俺を落ち着かせようと、及川が両肩をさする。
「深呼吸は許す！でも、ちゃんと声は出してね」
俺たちのこと、信じててね
ニコリと笑ったその顔を見て、両肩をさすられるよりもずっと気持ちが落ち着いた。
「お前ららしく、
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
