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勢いよく雑炊を掻き込んでは咀嚼している。余程腹が減っていたのか、絶えず何かしらを口に入れ続けている。
「雑炊は逃げねぇぞ」
「腹減ってんの」
カッカッと箸と茶碗のぶつかる音を立てながら、一静は未だ雑炊を掻き込んでいる。空になったのか、目の前に置いた土鍋から雑炊を掬った。
「合宿の時さ」
「ん？うん」
徐に、少し嬉しそうな顔で一静は話し始める。
「Aは少しズレて飯食うだろ。まだAが厨房から出てきてない時、みんな食う前に絶対、うまそ、って言うんだよね」
「そうなんだ」
「いっつも洗い物してるもんな。照れてんのか誰もAに言ってやらねぇけど」
「まぁ、照れ臭いからいいんだよ」
そ、と言って、一静はまた雑炊を掻き込む。
「そんなうまい？」
「うん」
口いっぱいに雑炊を頬張り、幸せそうな顔で頷いて見せた。多分、俺も同じ顔をしていると思う。
「そっか」
なんてことない雑炊を食っているはずだが、なんでかいつもよりうまく感じた。
一静が洗い物をしている間、洗濯物を干す。一段落つき、小物をちまちま干していると、腰にふわりと触れた感覚があった。
「終わったの？」
「うん」
体温が近いことで、甘えたがりな彼がそばに来たと分かり、その手に少し触れる。
「ね、少しイチャイチャしよ」
疑問形ではなく、ただ、したい、と訴えかける言い方。拒否をする理由もないし頷く。籠に残っていた洗濯物を全部取った。
「もう少しで終わるから、待ってて」
「ん」
言いながらも俺の腰に腕を回し、干し終わるのを待っている。乾かしていないのか、まだ髪が少し湿っていた。
「髪、乾かさないと風邪ひくぞ」
「乾かして」
「はいはい」
洗濯物を干し終わったのを確認した一静は、俺の手を掴んで引っ張っていく。脱衣所に着き、ドライヤーを手に取った。
「はい」
「座って」
床に座るように促すと、ストンと膝を折って座った。俺は膝立ちをして、一静の頭目掛けて風を当てる。ゴー、と音を上げるドライヤーを軽く振りながら、一静の髪を弄ぶ。
全体に熱が行き渡り、湿っぽさもない。ドライヤーを止める。
「終わったよ」
「ん」
行こ、とすぐに立ち上がり俺の手を引く。そんなにも甘えたいのか、と少し笑ってしまう。
「なに」
「ふふ、かわいいな」
立ち上がって抱き着くと、満更でもないらしい。一静も俺の身体に腕を回した。
「部屋、行こ」
「ん」
身体を離し、寝室に移動する。
ふたりでベッドに倒れ込んだ。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
