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地力なら、きっと
「レフトレフト！」
「ブロック3枚！！」
岩泉にブロックが付いた。
冷静にコースを見極めた岩泉は、ブロックの指先を狙った。
「ナイスキー」
「岩泉ナイッサー！」
点差が開くことなく、取って取られてを繰り返す。この試合が始まってから、数度見た展開。コートに立っているやつらは、しっかりと自コートも相手コートも見えている。
「及川！！」
烏野の3番くんのスパイクを、及川がレシーブした。どこからか烏野のチャンス、と言う声が聞こえる。
「
「ハイ！！！」
アタックラインのギリギリ後ろで、渡が床を蹴る。岩泉が俺に寄越せと声を張るが、渡はそれを囮に及川へトスを上げた。
ボールが床に叩きつけられる。
「及川ナイスキー」
「渡っちナイストス！」
「ありがとうございます！」
3年連中にワシワシと坊主頭を撫でられる渡は、小動物に見えなくもない。
「いいな、俺も撫でたい」
「タイムアウトの時にやってやれ」
「ヤッター」
チラリと烏野のベンチを見ると、コーチの男性は考え込むように腕を組み、難しい顔で渡を見ていた。
烏野がギリギリ押し込める位置にボールが上がる。10番くんもそれに気付き、両手を伸ばして跳んだ。
ネットを超える手前。既の所で及川がボールを
長いホイッスルが鳴り、烏野がタイムアウトを取ったことを知らせる。
「及川、渡、ナイストス」
「ありがとうございます！」
ワシワシと渡の頭を撫でてやる。恥ずかしそうにしながらも、笑顔でそれを受け入れている。
「一静、渡がかわいい」
「え、浮気？」
「違ぇよ」
「A、松がヤキモチ焼きなの忘れたか？」
覚えてる、と花巻に答え、渡の頭から手を離す。何か似たような愛着があった、とその感覚を思い出す。あれだ、
「こう、リンゴを思い出す」
「リンゴってAんとこのワンコだよな？」
「そう！俺のかわいい妹！」
「渡、性転換も必要だとさ」
「え、しませんよ」
真面目に返す渡に花巻はケラケラと笑った。試合中のはずだが、まだ気持ちに余裕があるとわかる。
「おら、緊張感持てよ」
「ここらで一丁円陣組みますか！」
及川に手招かれ、その輪に混ざる。一静が俺の小指に自分のそれを絡ませた。
「まだまだ行けるよね？」
及川に応えるべく、全員が声を張った。
小指に少し、力を込める。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
