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公式WU前、それぞれがボールを触ったりストレッチをしたりと準備を進めていた。観客席からは既に気合の入った志戸や他の部員の声とともに、及川への黄色い声が響いている。
「毎度毎度熱狂的だな」
「耳がキンキンする」
「なに？僻み？」
「コイツらに限ってんな訳ねーだろ」
「だよねー」
知ってる、と及川は俺と一静を見て溜息を吐く。一静はストレッチを切り上げ、花巻と対人パスを始めた。俺も俺でスコアブックやバインダーを用意する。
ホイッスルが鳴り、主将挨拶のため及川が主審らがいる方へ走っていく。先程よりも声援が増え、会場は騒がしい。
「先レシーブになったよー」
「コート出るぞ」
岩泉がコートにいた部員に声を掛け、全員をコートから出す。烏野の公式WUが始まった。
「及川せんぱぁーい！がんばっーー」
「烏野ォー！ファイッ！！！」
「オオッ」
烏野のスパイカーは気合の入った掛け声とともにボールを床に叩きつける。バインダーに挟んだルーズリーフに、それぞれの癖を書き出す。
深呼吸をして一度目頭を指先で解す。3分が経ち、
花巻が及川のセットしたボールを打つ。
「いいじゃーん、マッキー！キレッキレだねー」
及川の声掛けに花巻は無言のピースで応える。それを確認した及川はスパイカーに振り返り手を挙げた。金田一が山なりのボールを及川に上げ、レシーブする。そのボールを及川がセットした。
「ごめん金田一、今の少し高かったね」
「あっ、イエ！はい」
同じようにスパイク練を進めていき、岩泉の番。及川のトスを岩泉が力強く打つ。
「岩ちゃん、ちょっと力んでない？いいトコ見せようとしなくていいんだよ！女の子は誰も岩ちゃんなんか見てないからね！」
岩泉がバッと近くにあったボールを拾い上げる。金田一が咄嗟に岩泉を抑えつけた。
「お前ら、ふざけてないでさっさと片付けろよ」
「はいはーい」
ボールの入ったカゴを引っ張って、及川がコートから捌ける。公式WUの終わりを知らせるホイッスルが響いた。
「整列ー！」
選手が皆、監督の言葉に耳を傾ける。声援は先程よりも熱を増し、黄色い声も多い。
監督の言葉が終わり、コートに入ろうと選手がそれぞれ動き始める。及川も手首をふらふらと揺らしながら歩き始めた。
「よーし、やるかぁ！それじゃあ今日も」
ーー信じてるよ、お前ら
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
