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またも挙がる及川によるお泊まり会の打診。一静は少し考える素振りをし、口を開いた。
「ソファーと玄関と脱衣所でバラけてならいけるよ」
「脱衣所は玄関とあんま変わんねーだろ」
「ソファーがこんな有難い順位になるなんて」
花巻と及川がジト目で一静の提案に抗議する。俺はふと思い至った。
「いや、うちのソファー少しでけぇし、くっつきゃ二人寝れないこともないぞ」
「あぁ、まぁ確かに」
「なんで？！誰とくっつくのさ？！」
「朝からうるさいな。及川、全員いるか確認してくれ」
7時少し前になり、溝口さんが及川に文句を言いながらも指示を出す。及川も「オッケー」なんて言って手を挙げた。
「いない人ー！」
「ふざけてんのか」
「やったれ岩泉」
「ごめんごめん！冗談だって！えーっと？……うん、みんないるね」
行こうか、と表情を変えた。部員を引き連れてバスまで歩く及川は、ちゃんと主将だ。
1年がバスに荷物を積んでいく。それを見守りつつ、バスに乗っていくスタメンやベンチメンバーを観察する。自然と表情は柔らかくなる。
「あとはー、堂島だけか。乗れよ」
「はい」
溝口さんが名簿と照らし合わせて、乗っていない部員を確認する。俺も荷物の積み忘れがないかを確認してバスに乗った。
酔いにくい前の方の座席に固まって座るレギュラー。一静の隣は当然のように空席で、一静は何も言わずに座席を2度叩く。
「おにぎりチョーダイ」
「ん」
アップ前のエネルギーを欲した一静に、巾着袋から今朝作ったおにぎりを取って渡す。嬉しそうに「サンキュー」と言って受け取ると、ラップを取ってしっかり咀嚼しながら食い進める。
「朝メシ食ってねーの？」
「食ったよ。でも6時ちょっと過ぎだったからさ」
「それは腹減るな」
通路を挟んだ隣の花巻は、朝からチョコレートを食べている。
「ホントに甘いもの好きな」
「うめぇもん。Aも食う？」
「一個」
ん、と箱から小さな金色と黒の正方形を取り出し俺に差し出す。受け取った包み紙を見ると、62%と表記されている。
「絶妙なパーセンテージだな」
「このくらいは苦くなくてうまい」
「もうちょい高くても好き」
チョコを口に入れる。少し噛んで、糖が脳を揺らす感覚を覚えた。
「カカオ60%以上のチョコは美容にいいんだってよ」
「そうなの？俺にもちょうだい」
「ほいよ」
花巻が座席から立たずに腕を後ろへ伸ばしてチョコを差し出す。それを受け取った及川はいつものウザい顔をした。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
