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ウォームアップ中は目を瞑って過ごした。隣に一静が座ったようで、連動してシートが軋む。
「最近はゲーム見ることも減ったし、そんなに徹底しなくてもいいんでない？」
「まぁね。出るわけでもないから、休める必要はないと思うけど、ただでさえ情報が多いから」
「ああ、そうだな。」
眩しい照明や、ごちゃごちゃと動く人。全部拾おうと目で追ってしまうのを一静はわかっている。だから俺が目を瞑っている時、一静は試合の状況を話して聞かせてくれる。
ホイッスルの音が響く。澤村の整列を呼び掛ける声と、挨拶。たくさんの足音、円陣の掛け声。
岩泉の笑い声と、金田一の苦々しげな声が聞こえた。
「及川、回収したんだ」
「岩泉がちゃんとリード引っ張ってきてたよ」
試合開始を知らせるホイッスルが鳴った。
「サーブはどっち？」
「常波」
「そ」
烏野がボールを上げたのか、鈍い音が響く。
「わっせらーっ」
「坊主くん？」
「お、セーカイ」
「ハハ」
賑やかだなぁ、と耳を澄ませると、ボールが床に強く叩きつけられる音がした。
「烏野の坊主くんが決めた」
「一応ブロックはついた？」
「うん」
「つかうるさいね」
ああ、と一静は笑っている。ホイッスルが短く2度鳴らされる。俺もそれに笑った。
「サーブ次は？」
「坊主くん」
坊主くんのサーブはレシーブされ、攻撃までつながったようだ。周りが少し響めく。
「なにが起きた？」
「烏野リベロがブロックされたボール上げた」
「反応いいな」
「で、それをロン毛の3番が決めた」
なかなかにいい選手が揃っている、と頭の中で整理する。すると遠くから「さすが成人」と言う声が聞こえた。
「成人だってさ」
「同級生かな」
「一番困るボケやめろよ」
一静と笑っていると、サーブを打つ音が聞こえた。途端、それまでと違う空気が肌を刺す。
床にボールが叩きつけられる音と、ホイッスルの音。ひと呼吸置いて、一静が口を開いた。
「烏野10番の速攻が決まった」
「にしては、少しテンポ遅いね」
「多分神技じゃねぇな」
「なるほど」
処理する情報が増えたが、それは及川がなんとかするだろう。外からの口出しは練習の時だけでいい。
試合は進み、監督と溝口さんの話し声が聞こえた。"トスを見ない速攻"を使っていない、と。
「荒削りだが、普通の速攻が使えるようになってる……下手くそながら、コースの打ち分けもーー」
「A」
「ん？」
片目を開けて一静を見る。困った顔をしていた。
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シャバ僧(プロフ) - ひなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張って完結まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2022年9月9日 17時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - コメント失礼します。この作品すごく好きです！画像もかっこいいですね。応援してます！ (2022年9月9日 0時) (レス) id: c76bd02e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年9月2日 21時
