500の櫻の中で貴方と (ページ5)

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ルールは何のために？ページ5

「Welcome to the back of the world」
『違反者』よりふたりのその後
(旗付きのため、リンクなしです)

金曜日の放課後。

生徒たちが、来る週末に
ワクワクしているような
そんな空気を感じさせる、学校。

校庭からは運動部が練習する掛け声が聞こえ、賑やかだが
誰もいなくなった教室は、静かで。

『明日の部活、何時から？』

『午後からだよ、いつもと同じ』

『そっか、ふふ。』

毎週末飽きもせずに、
そんな会話をここでしていたのを思い出す。

俺も彼も、土曜日の部活は午後からだから
金曜日の夜は一緒に過ごせる。

俺にとっても金曜日の放課後は、
明日を想像して心を踊らせる時間だった。

1年ほど、前までは。

ぼーっと窓から校庭を見下ろし、
過去に気持ちを乗せていた心は
ドアの開く音で、一気に現実へと帰ってきたようだった。

「あ、櫻井せんせ。」

「どうした、相葉、松本？」

「ん、わすれものー」

「俺はそれに付き合わされてー」

「はは、仲良いな。」

その生徒は自分の席まで辿り着くと、
シューズが入ってるらしい袋を取り上げた。

「バスケ部が部活にバッシュ忘れるって、どういうことだよ！」

「すぐに部活、行きたかったの！」

「結局忘れて取りに行ってたら、意味ないだろ！」

「うるさいなーもう！」

そんなふたりの掛け合いが、
微笑ましい、とすら思った。

「ねえ、先生？」

「ん？」

「聞きたいことあったんだ、先生に。」

「なんだ？」

「外に貼ってある絵、どうしてずっとあのままなの？
確か、俺たちが入学したときにはもうあそこにあったと思うんだけど。」

「…あれか？」

「え、なになに？松本、なんの絵？」

相葉が見たい、見たいと言うので
3人で廊下へ出た。