500の櫻の中で貴方と (ページ1)

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可愛い天使のきみページ1

「君の背中に羽根が見えた【番外編】」よりふたりのある日
(本編旗付きのため、番外編リンクです)

ショウと再び、暮らすようになって
何日くらい経ったかな？と
もう数えられなくなった、この頃。

「智、そろそろ起きたら？…おはよ。」

「んん…」

ショウは、記憶をなくしていた頃と
口調や雰囲気なんかも大分変わって。

それでも、かわいいかわいい、俺のショウに変わりはなくて。

「智！早く起きてよ！遅刻するよ？」

しっかり者の、かわいいかわいい、

「あ！昨日またひとりで飲んだでしょ！
缶、出しっ放し。ちゃんと捨ててよ！」

かわいい、かわいい…

「あーもう。食器とかもなるべくその日のうちに洗っちゃってよ。汚いな！」

…

「…かわいくないなぁ。」

「なに！」

「イイエ…顔洗ってきまっす……」

「そうしてください。」

どんなに口調や雰囲気が変わっても
ショウは、ショウだ。

だけど、俺が出会ったあの
天使のようなショウは、どこにいったのかなー？と…

あの頃のショウは
病気だった、わけだし、心の。

きっとこっちの、小姑みたいなのが本当なんだろうな…おっと。

こんなの、うっかり言おうもんなら
どんな風に睨まれるか…

顔も洗って目がばっちり覚めたので、リビングに向かう。

椅子に座って、コーヒーを一口飲んだショウが
はぁ、と小さくため息をついた。

「俺、先出るね？」

「あ…うん。」

「…今日は、早く店行くって言ってたから
一緒に、出れると思ったのに…」

あー。ほら

やっぱり、かわいい。

「うん、ごめんな？」

「いいよ、別に。じゃ、行ってきます。」

「あ、いってらっしゃい。」

記憶をなくしているときは、どちらかというと
俺が頼られて、甘えられてることが多かったように感じるけど
帰ってきてからは、完全に俺がショウに甘えてるな…と思う。

いや、その前も
本当は、俺が甘えさせてもらってたのかも。

そんなことを考えながら、着替えを進める。