Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ9)

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生まれてからずっと一緒だった。

家がすぐ隣りで、学校もずっと一緒で、兄弟みたいに育って。

そうやって一緒に過ごしていく間に、
コイツは俺の中で特別な存在になっていて。

親友、ってだけじゃなくて。

コイツに対する感情が友情だけじゃなくなっていってたけど、
必死に、必死に抑えてた。
そんなはずないって、自分自身を誤魔化してた。

だけど、その気持ちは残酷にも日に日に肥大していって。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、
コイツは俺への呼び方を「カズ」から「ニノちゃん」へ変えた。

「こっちの方がアダ名っぽくてカワイイから」
なんて意味わかんないこと言って。

それがつい最近の話で、本当の理由はよくわからないまま
俺は今日コイツのカミングアウトによって自分の気持ちを思い知らされた。

「誰？」

ゲームがひと段落して、ふたりともコントローラを床に置いたタイミングで聞いた。

「ん？」

「彼女。学校の人？」

「そうだよ！同じクラスの子。
Aちゃんっていうんだけど、知らない？」

それはギリギリ知っていた、
同じ学校のよく喋る、明るい女の子だった。

喋ったこともない、なんの罪もない「コイツの彼女」に対して、
黒い感情がもくもくと沸き上がるのが自分でもわかった。