Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ40)

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「に…」

「翔ちゃん…かわい…」

「…なに、いってんの。」

「言いたくないのに、言わせてごめんね。
でも、嬉しい。可愛い。翔ちゃん、かわいいよ。」

「いーってば。」

「翔ちゃん、俺は翔ちゃんのだよ。」

「…ん。」

「嬉しい？」

「うん…。」

顔から、火が出そう。
そんくらい、熱い。

「翔ちゃんは？」

「ん…？」

「翔ちゃんは、俺の？」

俺を虜にするその声が、
耳を通って、ゾクゾクする。

「和、すき、だよ？」

「…っ」

突然、名前を呼んだことか
滅多にしない告白に戸惑ったのか
先程まで流暢に喋っていた彼が少し、詰まって

「んなこと、言って…」

身体が離れて、おでことおでこがこつん、とつけられて

「ほんと、かわいーんだから。」

言い終わると同時に、唇が重なった。

久しぶりの感触に
心が満たされていく。

柔らかい、カズの唇に
俺の心が、蕩けるよう。

しばらく重なっていた唇が離れると
思わず「…ぁ」と名残惜しそうな声が漏れる。

それを聞いて和は嬉しそうにくふ、と笑うと
俺をギュッと強く抱きしめた。

「…俺、翔ちゃんよりきっと、
ずっとずっと、独占欲強い。」

「え？」

「翔ちゃんがそういうの嫌な人だって知ってるから、言わなかったし
これからも我慢できるけど、ほんとは
俺以外に触らせたくない、見せたくない。
俺だけ、見ててほしい。」

「ん…。」

「だから、俺が誰かと一緒にいることを
嫌だって思った自分のこと、責めないであげて？
不安にさせて、ほんとにごめんね？」

あぁ、どこまで優しいんだ、この男は。
どこまで俺に甘いんだ、この男は。

身体を離して、目を見つめる。

「…ん。ありがと。でも、」

さっき、和がしてくれたように
額同士をくっつけて

「たぶん、負けないと思う。
独占欲。」

今度は俺からキスをした。

この日はそのあともずっと、
すきだよ
とか
俺のだよ
とか
一緒にいてよ？
とか

普段は絶対言わないようなこと
二人で言い合って

きっと明日からはまた
昨日と同じようなふたりに戻るんだろうけど
もうお互いの気持ちに
不安はきっとなくて。

こんな日があっても
いいよね、なんて。