Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ23)

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舞台は大千秋楽まで終わり、大成功をおさめた。

終了後には盛大に打ち上げが行われ、出演者やスタッフ達と楽しんだ。

売れっ子も多く次の日も仕事があったりして
早々に帰る人達もいたけれど
非常に楽しく、とても盛り上がった。

俺は二次会まで参加した。

…大野さんも行くって言っていたから、ってのも
ある…少し。

今回の舞台で主役を務め、
成功に一番貢献した大野さんは
色々な人とお酒を酌み交わし
飲め、飲めと酒を注がれ。

会が終わる頃には、

「…ぐふう。」

見たこともないほど、べろんべろんに酔っていた。

「大野さーん、大丈夫ですかー？」

そう、声をかけるけど

「んー？んー…
だいじょーぶ、らよー」

なんて、危なっかしい口調。

身体を支えながら、とりあえず店を出る。

「解散しますか！」

という空気になったので俺は

「大野さん、俺が送っていきます！」

なんて、宣言をしていた。

だって、放っておけない。
こんな状態の、この人を。

ただでさえいつも、心配していたんだ。

このままにしておいたら、また誰かに連絡して
その人と身体を…。

そう思ったら、送る以外に選択肢はなかった。

「大野さーん。家、どこですかー？
それだけ、教えてくださーい！」

タクシーに乗り込み、大野さんの肩をパシパシと叩く。

「んー…。んー、と…。」

大分危ない呂律ではあったけれど、
なんとか目的地を聞きだせることができた。

しばらくして、都内にあるマンションの前で車は止まった。

「大野さーん？着きましたけど、ここで合ってますかー？」

「んー？、んー…。」

「合ってるんですねー？降りますよー？」

大野さんを抱え、タクシーを降りる。

「大野さーん。鍵、出してくださーい。」

マンションのエントランス。
鍵がないと、中に入れない。

「ん…カバン…」

「え…」

俺が、出すんすか？
俺が、開けるんすか？

「…中、見ますよー？」

遠慮がちに大野さんのカバンから鍵を取り出し、
ドアを開けマンションへと足を踏み入れた。