Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ3)

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冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し、二口ほど飲む。

なんだか今日は、珍しく2回もヤキモチを妬いてしまった。

1回は、勝手に勘違いした架空の女性に。
2回目は、絵の上手な先輩に。

滅多にしないから、
なかなか心が正常な状態に戻らない。

「ふー…。」

息をひとつついて、
ペットボトルを持ったまま彼の元へと戻る。

笑わないおれに、まだ不安そうな顔を見せる君。

「どうか、した…？」

「…なんでも、ない。飲む？」

手にしたペットボトルを少し上に上げる。

こくこくと頷く姿がいつもより可愛く思えて。

おれからペットボトルを取ろうと近付いて来たその手を止めて、自分の指と絡める。

「…？」

不思議そうな彼に何も言わず、水を口に含む。

絡めていた手を引っ張って、

「んっ！…」

唇と唇を合わせた。

おれの口から彼の口へ、水が移動する。

移動し終わると、彼の唇を貪るようにキスをした。

少し乱暴なキスの合間に、
ごくっ、と水を飲み込む音が鳴って
それがまた、おれを昂らせる。

しばらく溶けるような時間に浸っていたけど、
彼の戸惑いをずっと感じていて
ちゅ、と音を立てて軽くキスをして顔を離した。

「ど、した、の…？」

紅くした顔で、おれに訊く。

「ん、ごめん。ちょっとヤキモチ妬いちゃっただけ。」

そう言って少し笑って見せる。

こういうときは軽い感じで素直に言ってしまうべきだ、と思った。

「ヤキモチ…？」

「そ。母子手帳、見せてきたじゃない？
「子どもできましたー！結婚するんですー！」
って遠まわしに言われたって勘違いした。」

「そんな…。」

だよね、言いたいことわかる。

冷静に考えたら、
いや冷静どころか

普通に考えたら、普通にそんなことしないって、普通にわかる。

でも、勝手に妄想が暴走してしまったんだ、
変なスイッチが入って。

君が、おれから離れるんじゃないかって

想像しただけで、怖いよ、おれ。