Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ18)

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それから少しして、大野さんは動きを止めて時計を見た。

タオルで汗をぬぐう。今日はもう、自主練を終えるのだろう。

と、汗で随分と湿ったシャツを、徐に脱いだ。

いや男同士だし、気にせず入ればいいし
気まずいなら、ドアを閉めて待っていればいいのに
突然目に入ったあるものに、俺の身体は固まってしまった。

大野さんの小柄な、
でもしっかりと筋肉の付いた身体。

その腰より少し上に…紅い花。

それは大野さんが、誰かに愛されているしるしだった。

男の身体を見つめている自分に気が付いて、ハッ、と我に返り、ドアを閉める。

不思議じゃない。良い大人だし
彼女もいるだろうし、そんなしるしを付けていたって不思議じゃない。

だけどなぜか、そのしるしを見て俺の鼓動は
嫌な音をたてて速くなった。

少しして、そろそろ入るか…とドアに手をかけたとき

「もしもし？」

中から再び大野さんの声が聞こえて、俺の手は止まった。

「んー…。うん。じゃあ、再来週の水曜で良い？」

声と足音がだんだんと近づく。

外に出て来るのか？と何故か少し焦ったけど、
ドアのすぐ向こうで足音は止まり、
そのまま大野さんの電話する声が聞こえる。

「ん、たぶん。…ふふ、行くってー。」

声が甘い。
きっと彼女だ、そう思った。

「メシ、作ってよ。久しぶりに食いたいからさ。」

やっぱり、彼女だ。

嬉しそうな女性の声が電話から漏れ聞こえる。

「はい、はい、うん。また連絡する。はーいじゃあね。」

電話が切られたようなので、ドアを開けていつものように挨拶をした。