Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ14)

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衝動的にしてしまった口づけは、すぐさま俺を後悔でいっぱいにした。

終わった。俺とコイツの関係は終わった、そう思った。

慌てて唇を離し、肩を押して至近距離だったコイツの身体を離す。

色々と耐えられず、立ち上がって部屋を出ようとすると、
再び俺の腕はコイツに掴まれた。

「離…せ…。」

「やり逃げ？ひどくない？」

腕を引っ張られ、向かい合わせにさせられる。

「…なんでオレが、呼び方変えたと思う？」

「…面白いから、だろ。」

「ホントはね、怖かったから。」

そう言いながら、俺の方へ少しずつ近づいてくる。
俺は動揺して、後ずさりしてしまう。

「…怖い？」

「自分の気持ちが怖かったんだ。
このままカズって呼んでたら、我慢してた自分の気持ちに抑えが利かなくなりそうで…。
だから呼び方だけでも距離取ろう、って思って。」

コイツが何を言っているのか、
イマイチ理解できない。

もう壁が、すぐそこ。

「でももう、やめた。」

そうコイツが言ったのと同時に、部屋の壁と俺の背中がくっついた。

「カズも同じ気持ちなら、もう我慢しない。」

そう言って、今度はコイツから唇を重ねてきた。

「…！」

一番恐れていた事が起きてしまった。

そのはずだった。

俺の気持ちがこの人に受け入れられること、
それが想像する一番最悪な結末であるはずだった。

だけど、ずっとずっと想い焦がれたコイツとの口づけは。

甘くて、甘くて…

蕩けそうにきもちよくて。

俺の心が喜ぶ。

もっと、もっと、って欲する。

嬉しくて、涙がこぼれる。

重なっていた唇は離れて、
「ハァ…。」
ってコイツが息をつく。

それにすら胸がギュッとなる。

再びコイツの顔が近づいてきて、目を閉じる。

まだ動揺は消えないし、不安な気持ちもあるし、
コイツに訊きたいこともたくさんある。

けど、薄く目を開けた先には近すぎてよく見えないほどの距離にコイツの顔があって。

嬉しい気持ちが勝った。

ああ俺は、やっぱりコイツが好きだ。

どうしようもなく、コイツが好きなんだ。

もう、抑えることなんてできない。

そう確信し、再びゆっくりと目を閉じた。