Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ13)

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はっ、とした。

その通りだった。

だけど、認めるわけにはいかなかった。

「…は、何言ってんの？
つーかだからその呼び方なんだよ。」

誤魔化したくて、どうでもいいことを口にする。

「…カズ。」

突然、以前呼ばれていた呼び方で声をかけられた。

鼓動がうるさくなっていくのが自分でよくわかる。

「…なんだよ。
お前が帰らないならもう、俺が出てくわ。」

なんとなく、今日はもう話さない方がいいと思った。

立ち上がり、ドアへ向かおうとしたとき

「待っ、て！」

腕を掴まれた。と同時に、俺は床に置いてあったゲームのコントローラの端を踏んで、

「っあ！」

盛大に転んだ。

俺の腕を掴んでいたコイツも一緒に倒れて、

「…。」

うつ伏せに倒れた俺の上に覆いかぶさるような形になった。

振り返ると、コイツの顔がすぐ、近くにあって…

「…カズ？」

愛しい声でそう呼ばれたら、

「…っ！」

涙があふれた。

コイツとは兄弟みたいだけど、家族ではない。

仲は良いけど、学校のクラスメイトともちょっと違う。

当然、恋人にはなれない。

幼馴染って、すごく近いように見えて
本当はすごく遠い。

幼馴染って、残酷だ。

そう、思った。

嫉妬とか、不安とか、悔しさとか、切なさとか
コイツに対する気持ちの大きさとか

いろんな思いが俺の中をぐるぐる回って、混ざり合って、
涙が止まらなくなった。

「…だいじょぶ？」

止まらない涙を、コイツが親指で拭う。

ずっとずっと想ってきた相手の顔が、こんな近くにあって。

ずっとずっと触れたかった相手の手が、俺を撫でていて。

「カズ…だいじょぶ…？」

掠れた声で名前を呼ばれたら、もう抑えが利かなくなって。

「んっ！！」

コイツの唇に、自分のそれを押し付けた。