Jealousy－今誰と何しているの？（ars×ars） (ページ2)

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「ぜんぶみた？いいよね。」

部屋着に着替えた彼が、俺の隣に腰を下ろす。

「ん、見た。なんかすごいね。」

「ねえ！すごいよね！これなんか…カワイッ！」

再び母子手帳を手にし、ページを開いて中のイラストを指さす。

「ほらこれも！かわいー。」

笑顔で感想を言う彼の顔をなんだか見ることができなくて、
次々と指をさされるそのイラストを眺める。

「こーいうイラスト描ける人って本当、スゴイよなぁ。
智くんもそうだけど…尊敬する。」

…も、って。

智くん、も、って。

「あっ。」

思わず、彼が持っていた母子手帳を奪う。

ぱたん、と閉じて、テーブルに放るようにして置く。

「智、くん？」

驚いた顔の彼に何も言えず、黙ってしまう。

いい歳して、みっともないと自分でも思う。

普段は、ちょっとやそっとのことじゃ嫉妬したりしない。

正直仕事柄、嫉妬なんてしてたらキリないし。

だけど、絵は。

…絵だけは。

一番でいたいんだ、あなたの。

キラキラと目を輝かせておれの描いた絵を見てくれることが
本当に嬉しいんだ。

だから、
別の人の絵にもそのキラキラした目を向けるところ
目の前で見せられたら
モヤモヤする…おれでも。

「どした…の？」

なにも言わないおれに、不安そうな声で訊く。

「…なんでも、ないよ。」

そう言い、キッチンへ向かった。