6Fr 過去編��-6 ページ46
── 疲れた。
練習が終わり、自宅であるマンションに帰ると、私は直ぐにリビングのソファに沈んだ。
今日のストロークメニューはキツかったな。
肩甲骨を寄せるように肩を動かすと、背中の筋肉がギチギチと悲鳴をあげる。ふっと力を抜くと、このまま眠りの世界に落ちていきそうになった。
そのまま逆らわずに身を委ねていると、携帯の着信音が鳴った。私はうっ…と、低いうめき声を上げながら体を起こし、床に転がっていたカバンの中を漁る。そして、着信元も確認せずに電話に出た。
「……はい」
「あ、もしもしA？部活終わった？」
電話口から聞こえる声は、耳馴染みのあるものだった。
「んあ、真琴か……」
「なんか、疲れてるね。練習きついの？Aが通ってるところって、水泳の強豪校なんだろ？」
「そう。部活動の練習だからって油断してたら、えらい目にあったよ……」
耳元から、ふふっと、軽やかな笑いが聞こえてくる。眠くなる声だ。
「Aが練習で疲れるなんて、よっぽどだね」
「んー。まぁ、全中の予選が近いから、個人の練習もハードでさ。それに加えてリレーの練習もしてるから…」
「リレー？A、リレーに出るの？」
真琴の声が少し高くなった気がした。優しげに下がった垂れ目が見開かれている姿は、容易に想像できる。
そういえば、言ってなかったな。そもそも、リレーに出ると決まってから、真琴とこうやって話すのは初めてだった。
私はソファの背もたれに背中を預けると、携帯を右手に持ち替えて話し始めた。
「そうなの。成り行きでエントリーする事になったんだけどね。でも、結構いいチームなんだ」
強気でズバズバと物を言い、裏表のない芹。
私たちの間を取り持って、何かと気を回してくれる紀夜。
あまり主張することは無いけれど、いつも穏やかに笑う鈴。
この3人とのリレーの練習は、どれだけキツくても辛いとは感じなかった。
元々私は、タイムにこだわる事なんてほとんどなかった。ただ、泳いでいたいだけ。それでついてくる記録やタイムなんて、ただの副産物に過ぎなかった。凛が転校してきて間もなく、それを凛に言ったとき、「お前まで七瀬みたいな事言うのかよ……」と、何かを諦めたように言われたのを覚えている。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
