5Fr�� ページ34
「失礼します」
放課後。
クラスの人数分のプリントを抱えながら、目当ての先生を探すため、ぐるりと職員室の中を見渡す。すると、椅子に腰かけ、机に向かう茶色の後頭部が目に映った。
私はその先生に近付き、声をかける。
「天方先生。プリント持ってきました」
「あら、一宮さん。ご苦労さま」
にこやかな笑みを返しながら、プリントを受け取る天方先生。用を済ませた私は、そのまま戻ろうとするが、
「それにしても、困ったわねぇ…」
と、綺麗に整えられた眉を下げた天方先生の声に、足止めされてしまう。
「どうかしたんですか？」
「実はね…。このプリントを、鮫柄学園の水泳部の先生に渡さなきゃいけなくて。本当はこの前の合同練習の時に、橘君から渡してもらおうと思ってたんだけど…」
顎の辺りに指先を当て、難しい顔で話し始める天方先生。この流れは、なんとなくまずい気がした。
「そ、そうなんですか…」
「明日までに渡さなきゃいけないのに、私、これから職員会議なのよ」
「あー……」
顎から眉間に手を移した天方先生は、更に難しい顔で唸る。
こういう言い方をされると、上手く交わせないのが自分の性格だと思う。
「………私、持っていきましょうか？」
「本当！？助かるわぁ！」
頼んだわね、と言いながら、先生は私の手にプリントを託した。まんまと乗せられてしまった気がしないでもないが、私はプリント用のクリアファイルに受け取ったものを挟み、リュックに戻しながら下駄箱へと向かった。
鮫柄学園までは、しばらく列車に揺られると到着する。全国大会出場の常連で、県内有数の水泳強豪校だ。そして、凛の通う学校でもある。
正直あまり気乗りはしないが、頼まれ事を放棄するわけにもいかない。私は覚悟を決めて、大層立派な門をくぐった。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
