4Fr�� ページ29
あれから真琴も家に帰り、後はもう寝るだけとなった遙は、自室のベッドに仰向けで寝転がった。
天井から部屋全体を照らす電気が、異様に眩しく感じる。遙は目を細めながら、片腕で目を覆うことで、それを遮った。強制的に暗くなる視界。暗闇の中では、色々なことが頭を巡ってしまう。思い出すのは、先程のAの言葉だ。
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風呂から上がった後、居間に戻ろうと廊下を歩くと、真琴とAの話し声が聞こえた。扉一枚隔てた2人の会話は、ほとんど聞き取れない。
濡れた髪をタオルで拭きながら、扉に近付き、手をかける。すると、Aの言葉が何故か大きく響いた。
『──そんなこと言ったっけ？』
『そんな昔のこと、もう忘れちゃった』
どんな話をしていたか定かではない。けれどなんとなく、あの時の、夕暮れの中でのやり取りの事を言っているということは分かった。
Aの言葉を聞いた瞬間、扉を開けようとしていた手の動きが止まる。
抑揚のない声。感情が削ぎ落とされ、どこかへ置いてきてしまったような声。扉の先でAがどんな顔をしていたのか、遙には知る由もなかった。
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目を開くと、腕では遮きれない光が隙間から差し込んでくる。その光が煩わしく感じ、遙はゴロンと体を横に向けた。
体勢を変えても、考えるのはAのことばかりだ。気のせいなんかじゃない。Aは変わってしまった。その事実が、遙の胸をキリキリと締め付ける。
Aと再会して、微妙な距離があるというのは感じていた。それでも、今日は少し近付いた様にも感じた。あの頃のように。
けれど、近付いたと思ったらするりと遠くに行ってしまう。手を伸ばしても、届かない所に行ってしまうのではないかと、そんな不安すら抱いてしまう。
昔は、そんなことなかった。むしろ、何もしなくても遙や真琴の手を引っ張ってくれたのは、Aの方だった。
目を閉じた遙は、遠い日の記憶に身を委ねていく。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
