2Fr�� ページ13
プールサイドには、もう濡れているハルの姿があった。
ハルと目が合うと、青い瞳が見開かれる。
「Aが、怜の泳ぎを見てくれるんだって」
真琴がハルにそう告げると、
「……そうか」
ハルはそう短くつぶやいて、プールの中に飛び込んでいった。
私はハルから目を逸らし、竜ヶ崎君と向き合う。
「よし、じゃあ始めよう」
「はいっ！」
竜ヶ崎君の返事が、少しオレンジ色に染まった空に響いた。
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「うーん…。フォームは綺麗なのになぁ…」
竜ヶ崎君の泳ぎを見て、私は頭を悩ませていた。
「どう？Aちゃん」
「うーん…」
時間をかければきっと泳げるようになると思う。水を怖がっている訳じゃないから。
ただ、あと2日で泳げるかどうかは……。
「理論は完璧に頭に入れているのですが……」
竜ヶ崎君は、俯きながら呟く。
「焦らず、ゆっくりとやっていくしかないんじゃないかな。泳げるようになるのは、やっぱりそれなりに時間がかかるからさ」
アドバイスにもなっていないことしか言えないことに少し不甲斐なく感じる。
「……そういえば、一宮先輩はどうやって泳げるようになったんですか？」
「へ！？」
「Aちゃんはすごいんだよ！誰も教えてないのに自分で泳げたんだって！しかも幼稚園のモゴッ」
「渚！余計なこと言わない！！」
私は渚の口を手で押えて渚の言葉を遮る。
「…………やっぱり、僕には才能がないんでしょうか……。はは…」
竜ヶ崎君は、乾いた笑いを出しながら遠くを見つめる。
「ああああ諦めないで竜ヶ崎君！」
「そうだよ怜ちゃん！諦めの悪さが怜ちゃんの取り柄なんだから！」
「それは渚君の取り柄でしょう…」
結局、よく分からないやり取りをしていたら暗くなってしまった。
「どうしたら、遙先輩みたいに自由に泳げるんでしょうか……」
竜ヶ崎君の言葉に、私は考え込む。
「ーーーーーー竜ヶ崎君」
私は、竜ヶ崎君に声をかけたーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うーん…。フォームは綺麗なのになぁ…」
怜の泳ぎを見ながら悩んでいる様子のAを、遙は遠くから見つめる。
「やっぱり、Aがプールサイドにいると安心するよね」
遙の隣に立ち、真琴が微笑みながら言う。
「ーーーーーそうだな」
遙のつぶやきに、真琴は嬉しそうに目を細めた。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
