6Fr 過去編��-1 ページ41
6Fr 過去編1
青い空を覆うようにして背を伸ばす無機質な建物たち。そんな東京の空を呆然と見上げていた私は、傍からはさぞ田舎者として映ったことだろう。
せっかく空が青くて綺麗なのに、もったいないな。その時の私は、そんな事を考えていた。
中学１年の夏の手前。私は住み慣れた岩鳶の町を離れ、大都会の地に足を踏み入れた。
──知らない場所。けれど、これから出会う人達を思うと、はやる気持ちを抑えきれなかった。
私が転校することになったのは、
ここでなら、もっと色んな人と泳ぐことが出来る。この学校を選んだのは、そんな理由だった。
──すごい人数だな。ここにいる人全員水泳部なの……？
練習に初めて参加することになった日。プールサイドに立った私は、何度目かの“都会の凄さ”というものを感じることになる。
「じゃあ、とりあえずタイムを測るから、軽く泳いでみてもらえるか」
先程、この水泳部の監督と紹介された男性が私の方を振り返り、声をかけた。
私は、はい、と短く返事をしてからキャップとゴーグルを付け、スタート台に立った。
「なかなかいいタイムだな。フォームも綺麗だ」
「ありがとうございます」
「スイミングクラブに所属してたって言ってたけど。
クラブの名前は？」
「岩鳶SC、ですけど…」
地方のスイミングクラブの名前なんて、どうせ知らないでしょ。そう思ったが、私は聞かれるままに答えた。
監督は少しの間考えるような表情をした後、あぁ…と、何かを思い出したような声を上げた。
「岩鳶SCの一宮Aね。君、ジュニア大会での優勝経験があるだろ」
あぁ……そういえば、そんなこともあったな。
「はい」
「有望な選手が来てくれて嬉しいよ。これから、期待してるぞ」
そう言って監督は去っていった。
別に、期待なんかされなくてもいいんだけど。私はただ、ここにいる人たちと一緒に泳ぎたいからここに来たのに。
そんなことを心の中で考えながらぐっと腕に体重を預け、プールサイドに上がった。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
