牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹17 ページ17

.






｢……失礼…します。｣





まふまふ様の肩に自分の手を添えて、私は唾を飲んだ

惚れ惚れしてしまうような綺麗な顔を凝視して、私は顔を近づける



まふまふ様が舌をしまい口を閉じ、また笑みを象る
じっと見つめられながらも私は、唇を合わせた





開いてくれるまふまふ様の口内に舌を這わせ、どこかにあるであろう薬を探す





｢……っ｣





私の引けている腰をまふまふ様は力の限り引き寄せてきて、私は頑張って抗ったけど誘導されるがまままふまふ様の膝に座らされた



そのまま上から覆い被さる様に口付けを強め、まふまふ様の方から薬を私の方に送り込んできた




｢んっ……｣




もうこれでおしまいだ
薬は回収したのだからキスなんか続行する必要はない



そう思ってめいいっぱいまふまふ様の肩を押したけど、離してくれる気配はない




｢はぅっ……、まぁ…ふ……っ｣





ダラダラとまふまふ様の唾液が私の口内に流し込まれていく

自分のものとまふまふ様もので口がいっぱいで、溢れ出るように私の首筋を伝っていくのを感じた





｢そうやって僕の言うこと聞いとけばいいのに｣




もう満足したのか、膝の上で私を抱えながら私を見つめていた


滑稽なものを見るように楽しそうだ





｢早く飲み込んで｣





私は声を発せなくて、代わりにうなづいてからまふまふ様の唾液と薬を飲み込んだ






｢毒が引いたらさかたを探してきて。次連れてくるのに失敗したら……分かってるね？｣




はい。と言いたいのに、既に神経毒が回っているのか口元に力が入らなかった

音にならない空気だけが漏れるだけだ




体にも力が入らなくって、まふまふ様の膝の上でまふまふ様に支えられるがままぐったりとするだけ

唯一動く目だけでまふまふ様を見上げる





｢動かないキミはとてもいいね｣




まふまふ様の手が伸びてきて、そのまま私の視界をさえぎった
思考も鈍ってくるのか、なんだか眠たくなってきて私はそのまま寝てしまったと思う

牡丹18→←牡丹16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す