世界で一番【あほの坂田】

世界で38 ページ41

A サイド

う「俺が食事とかは持っていってるからなんとか生きてる。

でも、そろそろやばいかもしれない。

かなり弱ってるんだ」

志麻に連絡を入れておくか、、、。

『志麻に薬を用意するように頼んだ。

妹は助ける。絶対に死なせない。約束しよう。

だから、私に力を貸してくれないか』

私が頭を下げてお願いするとうらたは目を泳がせた。

う「で、でも、親父にバレたら、、、」

うらたは本当に家族思いのいいやつだ。

『大丈夫、私に作戦があるんだ』

***
うらた サイド

う「俺だ」

そう言うと門番をしていた親父の部下が門を開ける。

俺の手にはぐったりと倒れたAがいる。

色々なところから血が出ていて痛々しい。

ごめん、A。

親父のところに行くと悠々と椅子に座ってタバコを吸っていた。

う「、、、戻りました」

膝をついて親父の前に膝まづく。

父「従者はどうした」

こちらを見下ろして言う親父に舌打ちしたくなる。

う「、、、殺しました」

目の前にAの死体を出すと親父は気を良くしたらしい。

父「死体は燃やしておけ」

そう言うと親父は部下と話を始めた。

Aの死体を抱いて地下に歩いていく。

地下には暖炉もあるから。

コッコっ、と足音が響く。

地下の前にいる親父の部下を見やる。

う「交代だ。戻れ。」

そう言うと部下は何も言わずに消える。

一応、俺は親父の息子だから言うことは聞く。

牢屋の前を通ると何人かのうめき声でうまる。

出して、苦しい、助けて、そんな声が行き交うなか俺はただひたすらまっすぐ進んだ。

暖炉の前につくと俺はAをおろした。

そして暖炉に火をつける。

ありがとう。A。

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