世界で一番【あほの坂田】

世界で1 ページ2

A サイド

『、、、。』

私の朝は主人である坂田を起こすことから始まる。

すよすよ、と気持ちよさそうに寝ているこいつに一発蹴りを入れたくなるのをぐっ、と堪える。

『坂田様、起きてください』

彼を揺すると「も、ちょっと、、、」と声が聞こえた。

『だめです、起きてください』

布団を引き剥がし起きやがらせる。

さ「ん、A、、？」

寝ぼけているのかゴシゴシと目を擦ってこちらを伺っている。

『はい、Aです、早く準備をなさってください』

さ「わかった、」

やっと布団から出て準備をはじめた坂田を見たのを確認して私は調理をはじめた。

坂田は昔から毒を盛られることが多く私以外の作ったものは食べない、と約束されている。

その約束に坂田は易易と承知した。

私が毒を盛るという考えを持たないのかあいつは。

どこまで頭の中がお花畑なんだ。

まぁ、そんなことはまだしないが。

さ「A！準備終わったで！ご飯！！」

なにが終わった、だよ。

髪も制服もぐちゃぐちゃだ。

それにかばんはプリントがぐちゃぁ、と入っているのが丸見え。

これを整理するのもけっきょく私なのだ。

『坂田様、こちらへ』

髪と制服を直し椅子に座らせ食事を目の前に出す。

さ「いつもありがとな！A！」

あぁ、眩しい。

太陽のようなその笑顔に私は嫌気がさすよ。

これだからオマエは世界で一番＿＿＿＿。

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