人間買収２【浦.島.坂.田.船.】

買収45 ページ1

A サイド

し「俺、戦争に行くことになった」

ゾンビはそう言った。

う「せん、そう、」

天使は目を見開いてゾンビをみやった。

う「戦争って、殺し合いの、？」

天使はいまいち戦争がなんなのかをわかってないみたいだった。

し「うーーん、まぁ、そうやな」

ポリ、と頬をかいたゾンビは目を伏せた。

う「志麻くん、死んじゃうの？」

天使の瞳が微かに揺れてポロッと一粒の涙が零れ落ちた。

し「絶対に死ぬってわけじゃない

失敗しなきゃ、生きてるよ」

ふにゃ、と笑ったゾンビは天使の背中を擦った。

う「絶対、生きて。そして、また会おう

俺、ここで待ってる

また、志麻くんと話せる日、待ってる」

天使はゾンビの手をぎゅっ、と握ってそう言った。

し「、、、うん」

ゾンビはか細い声で返事をして薄く笑った。

二人は、知り合いだったんだ、

、、、ここが、もし、日本なら、、

日本は、戦争に負ける、、

きゅっ、と唇を紡いで俯いた。

ゾンビさんは、死ぬ、、、。

目の前で和気あいあいとしている二人を見るとその事実はあまりにも残酷的だった。

ピキッ

ヒビの入ったような音がして視界は真っ赤な炎に包まれていた。

『え、？』

周りを見渡せば、死体、死体、死体。

人の泣き叫ぶ声や、苦しそうにもがく人の声。

銃の音が響き渡って家は燃えている。

ここは、？

周りを見ても炎と死体ばかりでなにもない。

するとさっきのようにブワッと風が吹いて横を白い翼が通り抜けていく。

う「志麻くんｯｯ！！！」

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