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私が涙を堪えてるのが目黒に伝わったのか
私の腕を取り、向きを変えた
そして私は目黒に
そっと抱きしめられた
すると一気に溢れ出てくる涙
大人になると子どものように
わんわん泣くことができなくなった
我慢しながらも漏れてしまう泣き声
そのたび目黒は何度も何度も
腕の力を強め私を抱きしめる
今回の自分の判断
部長や深澤さんからの信頼
残業続きによるしんどさ
深澤さんに対する失恋
そして
５つも下の目黒にこんな姿見せてしまう自分
こんなことが全部自分に押し寄せてきて
涙は止まらなかった
目黒は私より２０センチ以上も大きいから
抱きしめられていると
なんだか気持ちが落ち着いてくる
今だけと思い
目黒に甘えさせてもらった
それからどれくらい時間が経っただろう
目黒からゆっくり離れると
目黒「大丈夫ですか？」
眉毛を八の字にしながら聞いてきた
A「うん、ありがとう」
目黒「Aさん」
A「ん？」
目黒「Aさんのこともっと知りたいです」
A「え？」
目黒「なんでもいいから俺に話してください
Aさんのことでもいいし
最近ムカついたことでもいいし
深澤さんのことでもなんでも」
目黒にそう言われ
私たちは自分の席に座り直した
私は
どんな学生だったかとか
昔のお客さんでムカついた人とか
深澤さんを好きになった理由
色んなことを話した
それを１つ１つちゃんと聞いてくれる目黒
話してるうちに
さっきまで気持ちが重たかったけど
なんだか今は少し軽くなった
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作者名：さつまいも | 作成日時：2020年9月7日 18時
