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目黒side
深澤さんと岩本部長の機嫌も直らないまま
金曜日の退勤時間を迎えた
他の社員の人たちと同様に定時を少し過ぎたあたりでAさんは退勤チェックをした
ここ２ヶ月毎日残業だったから
やっと早い時間に帰ってくれる
よかった
そう思ったけど、退勤チェックをして
Aさんはそのまま又自分の席に戻った
カバンの整理でもして帰るのかなと思い
俺は先に会社を出た
Aさん、ちゃんと家帰ってるかな
あと１０分ぐらいで家に着くというところで
俺はなんか、Aさんのところに行かなくちゃいけない気がして
来た道を引き返した
もし会社にいなかったら
ちゃんと帰ってるってことだし
会社につき見上げると
部署室の明かりがついていた
エレベーターで２２Fまで登り
部署室の扉の窓から見えた
ボーッとして座ってるAさん
目黒「Aさん」
俺が声をかけると
疲れ切った顔で、でも笑顔で
ゆっくり俺の方を見た
A「目黒？もう帰ったんじゃなかったの？」
目黒「いや、まあ」
俺は言葉を濁してAさんの隣の自分の席に座った
目黒「Aさん、ほん
A「まって
謝りの言葉ならもういらない
同じこと何度も言い飽きたから(笑)」
目黒「でも」
A「あのね」
Aさんは
俺の方は見ずに
机の方を向いて話だした
A「この前亮平くんと帰った時、佐久間さんのことどうしたらいいか相談したの
そしたらさ
"俺に相談する以前に
どうすればいいか
もうAの心には決まってるんじゃない？"
って言われたの
それで私、佐久間さんの契約を切ることに決めてた
けど、いざ行く時になって深澤さんとか部長から激励されたら迷っちゃってね
だからあの時目黒が
ああいうこと言ってくれたのは感謝してる
ありがとう」
目黒「Aさんが今落ち込んでるのは
部長や深澤さんに怒られたからだけじゃないですよね
好きな人に愛想を尽かされてるようで苦しいからっていうのもありますよね？
Aさん
Aさんは、やっぱり
本当は深澤さんが好きなんですか？」
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作者名：さつまいも | 作成日時：2020年9月7日 18時
