夏の終わりの空模様 afterstory (ページ23)

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謁見室で、アイルさんとユジナさん、あるにあを前に対峙している。

「陛下。本日、私は......」
「アイルでいい。無理に敬語を使わなくていいよ。」
「え？はい。」

俺はアイルさんに、二つのお願いをした。

「はぁ？何言ってんのラムザs「あるにあ。下がってて」......はい。」

あるにあが俺に反論しようとしたが、アイルさんに止められる。
あるにあは渋々下がって行った。
ユジナさんも部屋の外に出てくれた。

「で、一つ目は叶えたけど......まず、理由を聞かせてもらえる？」
「俺は、親を見殺しにしたことについて、ずっと逃げていたんです。俺たちの住んでいる街のスラムで、昔、大火事があったんです。その時、親を捨てて逃げました。ずっと、忘れるという選択肢を選んでいたんでけど、なんか、今になって向き合わなきゃいけない気がして......。でも向き合い方なんて、わかんないんですよ。だから、とりあえず、知識を得ようと思って......。」
「わかった。発行しよう。」
「ありがとうございます」
「ただし、秘書官として、ここで働くことを条件とする。」
「え？」
「そして、あるにあ達にもこの話をしなさい。これは強制じゃないけど。」

アイルさんの提案に、驚く、というか戸惑う。
皆に言うことで、拒絶されてしまうのでは？という不安。
強制ではない、という一言は俺のそんな思考を見越してだろう。

「あるにあは、納得しないだろうけど、認めてくれると思うよ。」

あるにあととても似ている声。
だが、彼とはまた違った暖かさがあった。

「わかりました。話して、みます。」

アイルさんは微笑した。
慈しむような眼差しだった。

そういえば、

「何であるにあは、俺に挨拶以外するなと言ったんでしょうか。」

「きっと、王宮での君の立場を確立させる為じゃないかな？下手に何か言えば、これからの可能性をつぶしかねないからね。」

なるほど。

かくして、俺はアイルさんの秘書官として働くことになった。

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