夏の終わりの空模様 afterstory (ページ22)

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「あの......」

無表情で俺を見る2人。

「お名前を教えていただいでも？」

ここまで一切会話はナシ。
何を言っても無視されていた。

「レイ。」
「カイルだ」

どうやらレイさんは女性のようだ。
2人とも、いつものあるにあのようにフードを深く被っていて、顔が見えない。

「あなたは、若長とどの様なご関係なのですか。」
「え？」

いきなりレイさんが俺に問いかける。
あまり抑揚のない声だ。

「若長の仕事を邪魔していたので。排除してしまおうかとも思いましたが、素性を知らぬ者を始末するには若長の負担になってしまわれる。」

急だったのでポカンとしている俺に説明してくれた。
初対面で物騒なことを......

「それで、俺に質問ってわけですね。」

返事をするかわりに頷くレイさん。

「俺とあるにあはーいや、あるにあさんだな。俺とあるにあさんは、まぁ、友達？というか、家族ーみたいな関係ですかね」

いくらなんでも歯切れが悪いだろ俺......。

レイさんは、納得したのか、それ以降口を閉ざしている。
代わりというわけではないが、カイルさんが話し出した。

「ラムザさん、でしたっけ。」
「ハイ」
「今日はなぜ王城に？」
「えっと、アイr、いや、陛下にお会いしたくて。あるにあーさんに連れて来てもらったんですけど」

結局、邪魔して終わりみたいになってる。

「茨道......」

レイさんがつぶやく。

「イバラ道？」
「若長のことですよ」

カイルさんが応えてくれる。

「若長は王族なのに、用意された階級を受け取らず、自らの努力で上げていくことを選んだのです」
「普通、王族の階級は0で一番高い。」
「自分の努力で階級を上げることはたやすい事ではありません。3から2になることはは結構例がありますが、2から1というのはあまり聞きません。」
「今、若長は2。」
「やっと掴んだところなのです。陛下は1にしても良いと仰っているのですが、若長は周りに認められてから、と。」

カイルさんとレイさんの説明で何となく分かった。
あるにあの努力、というか、気持ちが。

今、歩いている道も、これから歩く道も、茨道。
先の見えない所で、戦っているのだと思った。

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