夏の終わりの空模様 afterstory (ページ14)

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「ただいま」

家に帰るとラムザさんがリビングから

「おかえり。」

と、出てきた。
タップは荷物を置き、すぐに自室に入って行った。

「何かあったのか？」

2人の変な空気を察してジャンクに尋ねるラムザ。
ジャンクは、はにかんで

「余計なことしちゃっただけ。何でもないよ」

なんて。
ラムザはあえて聞き入らなかった。

「ただいま～」

しばらくしてアムムが帰って来た。

「「おかえり」」

ジャンクはリビングの机に書類を並べて睨めっこ。
ラムザはソファーに座って読書をしている。

「あれ？タップは？」
「自室に居るよ」

アムムは二階に上がり、タップの部屋のドアをノックする。

「どうぞ。」

アムムが中に入るとタップは机に頭を乗せていた。

「何かあったのか？」

いつもと違う彼の様子にアムムは心配そうだ。

「別に。アムムは何か用？」
「用ってか愚痴なんだけどさ……」

椅子に座り、今日の出来事を話すアムム。
彼は今日、貴族様のところに行っていたのだ。

「……ってさ。偉そうに言ってきたから俺も頭にきて、『俺の家族はお前らじゃなくてたった四人の友達だけだ』って言ってやったよ！あんときの顔が傑作でさぁ」

アムムは楽しそうに話しているが、タップは対照的に暗い。

「そうだよね……」

『たった四人の友達が家族。』
その言葉がタップの胸中に染み込む。

「長々と俺ばっかりごめんな？」

様子が変なタップに、気を害したのかとアムムは謝った。

「いや、別にいいよ」
「ありがとう。聞いてくれて」

アムムが部屋を出ようと椅子から立つ。

「あ、ねぇアムム」
「ん？」
「なんで俺に話したの？ラムザさんもジャンクもリビングにいたでしょ？」

アムムは少しためらって

「ジャンクは捨てられたわけじゃないし、アイツは優しいから聞いてくれるだろうけど、なんか申し訳ないじゃん。んでラムザさんはそもそも親なんてわかんないから気まずくなるだろうし……。あるにあが一番境遇が似てるけど、最近いつも疲れて帰ってくるだろ？だからタップかなって」

と少し笑いながら言った。

「タップだから気まずくならないとか、そんなんでもないんだけど……。何ていうか、似てるかなって」

きょとんとするタップ。

「あー、やっぱ今のナシ。忘れてくれ」

アムムは一階に降りて行った。

「似てる……」

残されたタップはアムムの言葉をポツリと繰り返した。

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