夏の終わりの空模様 afterstory (ページ12)

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「これで終わり……だね」

アムムから貰った買い物メモを見てタップがつぶやく。

「思ったより時間、かかっちゃったね」

日がもう傾き始めた昼下がり。
2人は帰宅するために大通りを歩いている。

「久しぶりにさ、あそこに寄ってみようよ」

提案したのはジャンク。
あそこ、というのは皆が育った施設のこと。

脇道に逸れ、施設へと。
跡地には芝生が生え揃っているのだが、そこに女の人が、1人、立っていた。

「あの、すみません。この街にいるタップ・フォレストさんという方を探しているのですが……」

ジャンクとタップは顔を見合わせる。

「失礼ですが、貴方は？」

ジャンクが素性を尋ねる。

「私はリーナです。タップさんの母の友です。」
「なぜタップを探しているんですか？」

タップがリーナに問う。

「彼女、1年前に亡くなって、亡くなる前に手紙をタップさんという方に渡してほしいと頼まれたんです。でも、この1年間私の都合がつかなくて……今になってしまったんです。丁度あなた方ぐらいの年齢だと思うんですけど」

リーナは申し訳なさそうに言う。

「きっとタップは要らないっていうと思います。自分を捨てて、勝手に死んだ母親のことなんて許せない。行こう、ジャンク。」
「え、ちょっ、おい！」

タップはスタスタとその場を去った。

「あの、俺タップと知り合いなので渡しておきますよ」
「本当、ですか？」
「えぇ。彼も知り合いで、というか、彼が一番"タップのこと"を知っているから、あぁ言ったのも仕方ないんですけど……」
「そうなんですか。じゃぁお願いします。タップさんに会ってみたいので、５日間だけ中央広場近くのカフェで待ってますと伝えていただきませんか？」
「分かりました。伝えておきます」

ジャンクはリーナに一礼し、タップの後を走って追った。

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