キミが途中加入【WEST】 (ページ8)

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努力の日々ページ8

あなたside

私のアイドルデビューは来月のCD発売からとなった。
残り一か月間の間で、今まで出した曲を覚え、ダンスも覚える。あとは衣装づくりを隙間時間に行う。元OLの私には過酷すぎる日々を過ぎていった。

毎日レッスン、衣装合わせなどで自宅を空ける日が多く、今日やっと自宅に帰った。

あ「２週間ぶり…くらいかな……我が家落ち着く～」

２週間前はリストラされ焦った形跡があり、無様な汚さだった。
明日からは少しオフの日が増えるため、片付けを開始した。

あ「……タイヨウの服、、もういいか」

タイヨウとは私の元カレだ。
大学時代に付き合い、同じ会社に入社した。
社会人１年目はお互いに切磋琢磨しながら貯金をし、同棲するために頑張ってきた。

しかし、いつしか大きなプロジェクトを任され始めたタイヨウはあっという間に遠い人間になり、
程なくして私の直属の上司と浮気をしていた。
直接見た訳ではなく、そういった内容が私の耳に入ったのだ。

社内恋愛を公表していなかったし、(そもそも入社前から付き合っているとかも一切言っていなかった)会社内では仲良く話すそぶりもなかったから実に浮気しやすい環境だったと思う。

そんな嫌な過去を思い出し、一瞬だけでも悔しいって気持ちになった。

けど、私はアイドルになったんだ。
浮気野郎にいつまでもクヨクヨしている場合じゃない。

あ「浮気してくれてありがとう。未練なくお前の私物廃棄できて最高。」

タイヨウが置いていった服や整髪剤もろもろすべてゴミ袋にまとめ、マンションのゴミ集積場に持って行った。
部屋に戻ると、殺風景ながらも一段と落ち着いた部屋になった。

あ「引っ越しは面倒だから、また今度暇なときにでも考えるか」

この先に引っ越せるほどのまとまった休みがあるかもわからないのに、
のんきにそんなことを考え、久々の自分のベッドに体を預け、静かに眠りにはいった。