2「中3/入試(1)」 ページ3
まあ、私にしては頑張って勉強したし、筆記の方は大丈夫だと思う。だけど問題は―――
「実技かぁ……私大丈夫かな？
――――勝己君」
「なんでテメェが居んだよストーカー女！！」
「今日もあだ名付けのセンスが冴え渡ってるねぇ。凄い」
「あ"ぁ！？」
「一緒に行こうよぉ〜試験会場一緒でしょう？」
「うぜぇ！！ガキか！！」
「ん？あれ緑谷君じゃない？
おーい、緑谷く――――」
「どけデク！！俺の前に立つな殺すぞ」
「理不尽の極みだね！」
「おっ、お早うがんバ張ろうねお互ががい……
あ、Aさんも一緒なんだ……」
「うん、そーだよ……って勝己君歩くの速いな！？あ、またね！バイバイ」
勝己君はいつの間にか結構遠くに行ってしまった。私は急いで勝己君に追い付く。
「……チッ」
「勝己君、何か不機嫌になってない？そんなに緑谷君のこと嫌いなの？」
「……」
「なあアレ……バクゴーじゃね？「ヘドロ」ん時の……」
「おお本物……」
「勝己君、有名人だね〜」
「……」
私は勝己君の方を見た。何か最近あんまり人に絡まなくなってきた気がする。
「見ろよアレ」
「彼女居んのかよ……」
「すっげえ美人じゃん」
「……カノジョ？」
脳内で漢字に変換する。
カノジョ……かのじょ……彼女！？
「勝己君勝己君、彼女だって！！」
「うっせぇ聞こえてたわ」
「えへへ。彼女かぁ〜」
「気持ち悪ィ」
「ひどーい」
『今日は俺のライヴにようこそー!!!
エヴィバディセイヘイ!!!』
――シーン……
『こいつはシヴィー!!!受験生のリスナー!
実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!
アーユーレディ!?YEAHH!!』
――シーン!!
「ボイスヒーロー「プレゼント･マイク」だ
すごい……！！ラジオ毎週聞いてるよ感激だなあ雄英の講師は皆プロのヒーローなんだ……！！」
「ああ、緑谷君も聞いてるんだ。金曜の夜にやってるよね」
「うるせえ」
『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!
持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場に向かってくれよな!!O.K!?』
――シーン!!
「同校(ダチ)同士で協力させねえってことか」
「あ、そっか」
「ホ、ホントだ……受験番号連番なのに会場違うね……」
「見んな殺すぞ」
「物騒だねえ」
「てめェを潰せねえじゃねえか」
勝己君は舌打ちをした。緑谷君が可哀想だと思う。
「……」
続く
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作者名：誉凪 | 作成日時：2018年10月1日 10時
