苦いチョコレート。 ページ31
騒動のあった文化祭から一週間もしないうちに、体育祭が開催される。
長ったらしい校長の開会の挨拶。運動部たちの雄叫び。
｢…やっぱ僕、苦手やわ｣
｢つべこべ言うとらんとはよ行け｣
｢とんち僕に冷たいよね｣
｢はぁ…。佐藤さんに良いとこ見せるんやろ？｣
｢はーい行ってきまーす！｣
応援席で死んだ顔をしている友人に呟くように言ったそれは聞かれていたらしく、刺々しい言葉を返される。まぁ、分かっとったけど。
｢しかしまぁ、ええとこ言われてもなぁ…。借り物競走やで僕出るの｣
そう、僕は最後の体育祭でAちゃんに良いところを見せたいと豪語していたにも関わらず、小心者の僕が手を挙げられる訳がなかった。ほんま、何偉そうに語っといてな。手も挙げられへんのか思ったけど。
｢まぁ？余裕で一位かっ攫うつもりやけど！｣
待機場所で入念に準備運動をしていると、特徴的な声が僕に投げかけられる。
｢お、大先生もこれ出るんか！｣
｢…お前ほんま元気やな｣
｢そうか？普通やけどな！｣
｢あ、そうなん。でも、シッマがこんなん出るん珍しいなぁ。｣
こいつは
非常に
一年の時に仲良くなってからというもの、いつもそれはそれは大きな声で声をかけてくるこの男にいつの間にか絆されていた。単純にええ奴やし。
｢あぁ、いやぁ。なんかな、俺別に走りたいわけちゃうし、かといって最後の体育祭でしょーもないやつにも出たくないやん？やから、いっつも盛り上がっとる借り物競争や！思ってな｣
｢ふぅん。なるほどね？ちな、何走目よ｣
｢えーっと、…あぁ、お前と一緒やな｣
｢あー…え゛?!まじか、お前…。｣
｢多分そうやろ。ま、お互い頑張ろな！｣
笑顔が眩しい、流石サッカー部。もう引退してるけど。やけど、僕は負けへんよ？絶対一位獲るねん。
『…次の競技は、みんな大好き借り物競争です』
放送部によるアナウンスが始まり、僕たちを含めた選手が一斉に動き出す。
あー、どうか変なお題引きませんように。
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ちぇる(プロフ) - 白ごまさん» コメントありがとうございます！ (2021年4月19日 19時) (
レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - 甘酸っぱい両片思いでもうずっとキュンキュンしてました。完結おめでとうございます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - �世気�» コメントありがとうございます！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
�� - キュンキュンする（真顔） (2021年3月12日 18時) (レス) id: 86f4624805 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 19時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
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