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今更照れることもないのになぁと思いつつ、笑いながら相槌を打っていると不意に声をかけられる。
『あ、先輩。窓の外見てもらえます？』
｢え？うん。でもなんで…｣
締め切っていたカーテンを開けて外を見ると、Tシャツにジャージを履いたラフな格好のショッピが立っていた。
｢…え、何してんの。｣
『なんか、外出たくなって。思ったより涼しいっすよ。』
｢顔見てんのに電話してるのおもろいね。｣
『…先輩、出てきてもらえません？』
｢…わかった。｣
そのまま電話を切って、パーカーだけ羽織り家を出る。
玄関でほろ酔い気味の父に声をかけられるが適当にあしらい、そのまま外に出る。
｢…ほんまに出てきてくれたんすね。｣
｢外涼しいって言うたんそっちやんか。んで、何？出てきたけど？｣
｢ちょっと、散歩しません？そんな遠くまで行かないんで。｣
｢おっけー。じゃあ行くかー。｣
もう満月をすぎた下弦の月が、紺色をした空に静かに浮かぶ。
お、なんの星かわからんけど星出てるやん。
田舎でも都会でもない私たちが住む町。
星はそんなに見えないけど、たまに見えるとテンションが上がるな。
空ばかり見上げていたためか、数歩先にいた背中にぶつかる。
｢いたっ…あ、ごめん。前見てなかった｣
｢いや、俺も急に止まったんで。｣
私がぶつかったくらいじゃビクともしない。
ほんまに、いつの間にそんなに大きくなったん。
中学の時ほとんど身長変わらんかったのに。
｢あーえっと。｣
｢…うん？どうしたん？｣
｢せんぱ…A、さん。｣
｢なんでさん付け？昔から呼び捨てしてたやん｣
｢ずっと先輩呼びやったんでちょっと、緊張というか。｣
｢そんな気にせんといてよ。こっちまで緊張する｣
なんて、笑ってみせるけど、名前を呼ばれたのは本当に久しぶりだった。
中学に入ってからは先輩呼びやったし、お互いがお互いに意識している今。一層気まづくなる。
｢そう、すね。｣
｢でも、ほんまに名前呼ばれるん久々やからびっくりしたわ｣
｢嫌でした…？｣
｢嫌じゃないよ！そんなわけないやん。なんて言うんやろ。昔に戻った感じがして、私は嬉しかったよ。｣
｢…はぁ。よかった。じゃあ、遠慮なく呼ばせてもらいますね。｣
｢おー。｣
気づけば、随分な距離を歩いていた。
話していると、自然と足が進んだ。
そろそろ引き返さなあかんなぁ。
…もうちょっとだけ、一緒におりたい。なんて。
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さくら - 下に同じく。説明文で面白いと見た。そして読んで更に面白いと思った。後輩くん好きなんでほんとこの小説神ってます！ありがとうございます！！ (2022年9月20日 17時) (
レス) id: 1fc21789e4 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - える＠脅威さんが好きです！さん» 随分古い作品なのにコメントありがとうございます！笑 (2022年3月11日 10時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威さんが好きです！ - 「リアル後輩がむっつりだったので書きます。ごめんね。」で私は面白いと確信を得た。 (2022年3月11日 1時) (レス) id: 2c1cc6224f (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - RURUさん» ありがとうございます！ (2021年1月20日 8時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 好k(昇天) (2021年1月20日 6時) (レス) id: cf91128782 (このIDを非表示/違反報告)
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