【d!】俺は。【sha】 (ページ21)

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じゅうなな。ページ21

泣いているAの手を引く俺が気になるのか行き交う人が振り返る。

何やねん。見せもん違うぞ。

漸く家の近くまで来ることが出来た。

スピードを落とし、強く握っていた手を離す。

｢シャオくん…。ありがとう｣

｢別にええよ。こんな事やろうと思ったから、ほんまに追いかけてよかった。｣

｢…私な、知ってたねん。｣

｢吉田のことか？｣

｢うん。でも、きっとそんな事ないって思ってた。やから、シャオくんと帰ったりするのも許してくれるんやろうなって。でも、違うかった。｣

｢うん。｣

｢あの人、私と付き合ったこと色んな人に自慢してたみたい。ゆりちゃんとか、まこちゃんが教えてくれて。…私の事、好きじゃなかったんやろうなぁ。｣

やっぱり知ってたんか。そりゃ、噂はすぐ回るからな。特に、色恋沙汰は。

｢…あいつ、女癖悪かったから。顔見てすぐ分かったわ。｣

｢そうやったんやなぁ。…私に、告白してくれた時どんな気持ちやったんかなぁ。｣

｢…分からんな。｣

｢私も、ちゃんと好きにならなって思って接してたんやけど。なんか、おかしかったの気づいてから避けてしまってた。｣

｢やからずっと昼も教室で食べてたん？｣

｢…うん。なんか、怖くて。それに、私さ。気づいたねん。ちゃんと。｣

｢…？何に。｣

夕日を浴び、Aの目に反射した俺が映る。

｢私な、多分ずっとやけどシャオくんのこと好きやってん。｣

｢ぅん…？｣

ごめん待ってや。処理追いつかん。

Aが、俺の事？なにって？

｢あれ、伝わらへんかったかな？やから…｣

｢いやいやいや！分かってるって！ちょっと待ってや…。｣

｢う、うん。待つよ｣

｢はぁー…。｣

まじかよ。なんで言うねん。

俺から言わせてや。