【d!】俺は。【sha】 (ページ20)

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じゅうろく。ページ20

案の定、Aは彼氏であろう吉田に責め立てられていた。

｢付き合ってるのは俺やでな？やのに、なんで塩田とばっかり帰ったりするん？なんでなん？｣

｢えっと、それは…｣

｢俺さ、仙田さんと付き合えたのほんまに嬉しかったのにひどくない？｣

｢ご、ごめんなさい…｣

怯えて上手く言葉が出ないA。

おい、吉田。俺は知ってるんやぞ。

Aと帰らへんのをいい事に色んな女に手出してるって。

普通に噂になっとるのわかってんのか？

ほんまに腹立たしいやつやな。

…俺の方が、Aのこと好きやし、幸せに出来る。

そう思った時にはもう前に進んでいた。

｢…おい！吉田ァ！！一発殴らせろ！｣

｢はぁ？なんで塩田がここに…｣

｢俺はなぁ、お前がAと付き合ったんも認めてないしそもそもお前が俺と帰ること許したんとちゃうんか。お前の許可なんかなくても一緒に帰るけどな！｣

｢たかが幼馴染だろ。仙田さんやって、そう言うてた。そうやろ？｣

俺が走ってきたことに驚いていたAがふと我に返る。

｢…そう、やけど…。｣

｢ほら見ろ。お前はただの幼馴染なんや。口出ししてくんな！｣

ほんまにこいつめっちゃ腹立つわ。もうええ。

｢俺は、お前よりもずっと前からAのこと好きやったんや！！お前なんかより、絶対に幸せに出来る自信あるわ。俺の方が、どう考えてもお似合いやろ！｣

思わず黙り込む吉田。

｢…ほら、行くで。A。｣

俺の方を泣き腫らした目で見るA。

手を掴んで走り出す。

もう心配せんでいいよ。

Aは俺が守るから。