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***
あれは私たちが七歳頃の話だ。
当時はまだ婚約だとかそういった話は出ておらず、父の仕事の関係で城へと足を運んでいた私はたまたま休憩のために庭に出ていたグルッペンと出会ったのだった。
昔から一際目立つ金髪に赤い瞳が綺麗で、幼かった私は王子とも知らずに話しかけた。
『はじめまして！とてもキレイですね！』
gr｢…あぁ、アーデル家の。はじめまして。｣
『お名前聞いてもいいですか？』
gr｢俺の名前を知らない？はは、そんな人間いるんだな｣
おかしそうに笑う彼に、一瞬驚いたものの。この短い会話でも一切表情の変わらない彼が自分の発言で笑ってくれたことが嬉しかった。
その後、第一王子のグルッペンだと知り慌てて謝罪したけれど彼は優しく笑うだけだった。
gr｢俺の立場なんて関係なく話してくれたのが嬉しかった｣
と、昔を思い出しながらそう言ってくれた。
それからというもの、私を気に入ってくれたのか毎週のように城へと来るよう馬車を寄越して会っていれば、自然と両親も教育に熱が入った。
七歳の時に出会い、十二歳の時に正式に彼から婚約を申し込まれたのだった。
それまではただただ地獄だった。
毎日のように彼に見合う女性になるよう教育を受け、作法も完璧に身につけ、両親の厳しい言葉にも耐えた。
彼と婚約しなければと思ったことは何度もあった。それでも一身に愛をくれる彼が好きで、彼以上に私を愛してくれる人なんていないと気づいた。
彼の隣に相応しい女性になるよう、自ら志願して稽古をつけてもらうようになり両親は泣いて喜んだ。今まで育ててきた甲斐があったと、そう言った。
gr｢しかし、懐かしい話をするな。何だ、もしかして嫉妬してくれたのか？｣
『何を言いますか。そんな訳ないでしょう？あなたは私しか見ていない。それが分かっていますから』
gr｢ふむ…。君がもっと分かりやすく俺への愛を囁いてくれれば良いんだがな｣
『馬鹿言わないで！そんなの、するわけないじゃない…。』
あぁほんと、この人は私の心を乱してばかり。
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ちぇる(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (
レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！悪役令嬢もので1、2位を争うくらい好きで、夢主ちゃんの性格も本当に好きでした！！楽しい時間、ありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (レス) @page47 id: 139b3f8cfd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - あいかわさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです！ (2022年10月31日 14時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく拝読させていただきました。これからのご活動も陰ながら応援しております！ (2022年10月31日 12時) (レス) id: 339f3cd750 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - ゆるぽろうさん» ありがとうございます！ずっと悪役令嬢ものは書きたかったので、今回書けて良かったと思っています！ (2022年8月18日 8時) (レス) @page4 id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
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